
テコンドーでパリ五輪出場を目指す愛知県瀬戸市出身の山田美諭選手が、日本代表選考会に臨みました。残る五輪への切符は、わずか1枚です。
瀬戸市出身の山田美諭選手(30)は、東京五輪で“あと1勝”でメダルを逃しています。パリ五輪でのリベンジを目指す最中の2023年3月、蹴り脚の左膝じん帯を断裂する大ケガをしました。
リハビリを経て復帰からわずか1カ月の24年1月7日、テーピングで足を固めて、奈良市で行われた選考会に臨みました。

山田選手:
「選考会の1月には間に合うから、すぐに気持ちを切り替えて出来ることをやっていこうと」
2回戦では、故障した左脚の痛みもあり倒れ込む場面もありましたが、無事、突破しました。
山田選手:
「こんなに不安を感じて臨んだ試合は初めて」
さらに、23年12月の全日本選手権で優勝した18歳の選手との試合では、転倒してしまいます。それでも、柔らかい関節を生かした変則の上段蹴り。全日本選手権10回優勝の女王の意地を見せ、勝利しました。
【動画で見る】全日本選手権10回優勝…テコンドーの“女王”山田美諭 パリ五輪出場ならず「もっと出来ることはあった」

山田選手:
「1試合ごとに(脚の)痛みが増えていたのでもうどれくらいかも分からないんですけど」
決勝の相手は、佐賀県の高校3年生・岡本留佳選手(17)です。山田選手が治療中の23年6月に世界選手権で銅メダルを獲得しています。
テコンドーと二刀流で取り組んできた、バドミントンで鍛えたステップをいかし、スピードある攻撃で挑みました。
激しい攻防の末、山田選手が敗退しました。パリの切符は届きませんでした。

山田選手:
「すごく悔しいですし、痛みを調整できなかったのは自分の責任だと思いますし、もっと出来ることはあったんじゃないかと今は感じています」
そして応援し続けてくれる職場の同僚や友人に…。

山田選手:
「本当は皆さんにオリンピックに来てほしかった。それが叶うことができなくてすごく悔しいです」
3歳から空手の指導をしてきた父親は…。
山田選手の父親・啓悟さん:
「膝の痛みがある中、最後まで満身創痍の状態で頑張ったと思います」

選考会では、山田選手の父親が経営している瀬戸市の道場「男塾」出身の男子2人が、日本代表に選ばれました。
山田選手:
「日本から1人でもオリンピックに出てほしいですし、もっとテコンドーを盛り上げてほしいので、全力で応援したいと思います」

今回決まった日本代表の選手たちは、3月に中国で開かれるアジア予選大会に進み、2位までに入ればパリへの切符をつかみます。