今シーズン一番の寒波の影響で、25日も朝からスリップ事故などが相次ぎました。24日に発生した名神高速の立ち往生は19時間ぶりに解消されましたが、影響が続いています。

■融雪剤をまいていたらはねられ…寒波の影響は25日も続いた

 岐阜市内では25日朝、凍結した路面でスリップする車が相次ぎました。長良川にかかる忠節橋では、高校生たちが自転車を押しながら慎重に渡る姿が見られました。

【動画で見る】NEXCO「スタック車両が想定以上に」名神で19時間もの立ち往生 運転手「初めはこんなので止まるの?と…」

高校1年生:
「怖いですね。何度か乗っている時に滑りそうになって、現に滑っちゃったんで」

 最強寒波の影響で、25日も雪や凍結による事故が相次ぎました。愛知県知多市では、道路に融雪剤をまいていた80代の男性がスリップした軽乗用車にはねられ、首の骨にひびが入る重傷を負いました。

 高速道路でも、東名阪自動車道・弥富IC付近で25日午前8時半ごろ、スリップしたとみられる車1台が身動きがとれない状態となっていました。

 東海3県では24日から25日にかけて、雪の影響とみられる事故が計885件発生し、人身事故も51件にのぼりました。

■エンジンを切ったまま寒さを凌ぐ 19時間にわたる立ち往生

 名神高速では、想定外となる「19時間」にわたる車の立ち往生が発生しました。

 NEXCO中日本によりますと、24日午前10時半ごろ、名神高速・関ケ原IC付近で、雪で動けなくなる車が相次ぎ発生。上りでおよそ5km、下りで6kmほどにわたって、トラックなど約770台が立ち往生しました。

立ち往生した男性(24日午後8時過ぎ):
「今9時間くらいずっと立ち往生している状況です。早く帰りたいです。もう泊まる覚悟でいますけど」

立ち往生した女性(24日午後8時過ぎ):
「自力で近くのコンビニまで歩いて、トイレに行ったり買い出しに行ったりとか」

 関ケ原ICから1kmほどの場所から動けなくなってしまった男性もいました。

立ち往生した男性:
「初めは『こんなので止まるの?』という感じだったんですけど、止まっているうちにどんどん雪が降って、出られないようなぐらいの深さまで埋まっちゃっている」

 NEXCOや岐阜県から、水や簡易トイレのほか、食料の支給を受けたといいますが、ガソリンが切れそうになったといいます。

 エンジンを切ったまま寒さを凌ぎ、日付が変わった午前0時過ぎ、NEXCO中日本が車を訪れ、ガソリンを補給したということです。

 そして、立ち往生が始まってから15時間以上が経った午前1時過ぎ、ようやく車が動きました。

立ち往生した男性:
「自宅に戻れるような感じです。自衛隊が来なかったら、たぶん動けていないような感じがしました。よかったなと思いましたね」

 岐阜県の要請を受けて夜通し行われた自衛隊による除雪作業などで、25日午前4時頃までに全ての立ち往生が解消されました。

■立ち往生は2023年にも…NEXCO「予測を大きく上回った」

 高速道路での立ち往生は、2023年のちょうど同じ時期にも発生していて、新名神の三重県から滋賀県にかけての30km以上の区間で、断続的にトラックなどが立ち往生しました。

 解消には丸1日以上かかり、NEXCO中日本はこのとき、国や自治体との情報交換を強化し、予防的に通行止めをできるようにするなどの再発防止策を取りまとめていました。

 今回、予防的な通行止めをせず、立ち往生が再び起きてしまったことに対して、NEXCO中日本は「降雪が予測を大きく上回り、スタックした車両が想定以上に多かった」と釈明しています。

 東海3県の雪のピークは過ぎましたが、厳しい寒さは26日も続く見込みで、気象台は路面の凍結などに警戒を呼びかけています。