シェーファーアヴィ幸樹の活躍が三河にとって明るい材料に

3月23日・24日にウィングアリーナ刈谷で行われた京都ハンナリーズとのゲーム。シーホース三河はGAME1を87-71、GAME2を70-53で勝利し、3連勝となった。

GAME1では、ダバンテ・ガードナーが個人通算11000得点を達成。出場した選手全員が得点を記録するなど、ボールがよく動き、効率的なオフェンスで勝利した。GAME2は、ややターンオーバーが目立ったものの、チームディフェンスが機能して京都のキーマンを封じ込む。2試合とも京都に一度もリードを許さない展開で、いくつかの課題はあるものの、結果だけ見れば快勝となった。

GAME2を終えて、ライアン・リッチマンHCは「チームディフェンスの勝利」と振り返った。
「ほとんどの時間で我々の目指しているディフェンスを遂行することができました。京都さんの3Pシュート成功率17%、フィールドゴール成功率35%という数字に現れていると思います」

シェーファーの活躍についても触れ、「シェーファー選手がオフェンスリバウンドを5本取ってくれたことで、ゲームの流れを取り戻してくれました。彼はリハビリからハードワークを続けてくれていて、これからも成長し続ける選手だと思います。今日は非常に素晴らしい貢献をしてくれました」と賛辞を送った。

2月に右膝前十字靭帯断裂の大ケガから復帰したシェーファーアヴィ幸樹。GAME2では、復帰してから最長となる21分32秒の出場を果たし、6得点、チーム最多の9リバウンドを記録した。試合後、「自分のプレーで吠えたのは久々です」と笑ったシェーファー。

「チームルールを守り、後半はディフェンスから走る自分たちのプレーができました。自分に求められているのはオフェンスリバウンドです。ビッグラインナップを引いたとき、ウイングの選手が僕をマークすることがあります。そこの優位性を生かすこと。今日はいいかたちで貢献できました」

走れる日本人ビッグマンとして、入団してから三河を支えてきたシェーファー。その姿を知っているものからすれば、復帰して間もないが、コートに立っている以上、どうしても以前の活躍を期待してしまうもの。今日は勝利の立役者となったが、ここまで存在感を発揮できない試合も多かった。その点について、本人もフラストレーションを感じているかと思いきや、答えは少し違った。

「コーチ陣に言われたんですけど、『自分に厳しすぎる』と。僕は完璧を求めてしまうところがあり、ミスをすると自分を責めてしまいがちでした。ケガをして1年くらいプレーしていないと、そう上手くはいかないものです。上がったり下がったりを経験しながら、少しずつ状態を上げていく。悪い時でも自分を責めず、『もっとリラックスして臨むように。焦らないように。もう少し自分に甘くしてやれ』と言われています。ケガをしてから明後日(3月26日)でちょうど1年。2年くらい経ってようやく元に戻ると言われているようなケガなので、今は焦らず、コーチ陣の助言を受け止めてプレーしています」

この日のシェーファーの活躍が持つ意味は大きい。外国籍選手2人にシェーファーが並ぶ、ビッグラインナップが三河のオプションとなることを証明できたからだ。「ゲーム感覚も少しずつ戻ってきた」と話し、彼の活躍は必ずチームの底上げにつながるだろう。



リッチマンHC「リーグの中で三河がどういう存在か示すことができるチャンス」

次節から三河にとって大きなチャレンジが始まる。3月27日(水)のナイトゲームで、三河は中地区1位の三遠ネオフェニックスと対戦。3月30日(土)・31日(日)は東地区1位の宇都宮ブレックスと、4月6日(土)・7日(日)は東地区2位のアルバルク東京と対戦が続く。リーグの勝率上位3チームとの5連戦は、CS出場権の獲得に向けて重要なのはもちろん、そこで勝ち進む資格のあるチームなのか試金石となる試合と言っていいだろう。

強豪との連戦を控える中、リッチマンHCは「まずは目の前の試合」と強調した。
「(強豪との5連戦について)どのチームもリスペクトしていますし、楽しみにしています。三遠さんは一度戦ったことがありますから、素晴らしい選手、素晴らしいコーチがいることも知っています。今の自分たちがどこまで戦えるのか、あれからどれだけ成長できたのか確認するいい機会です。肝心なのは、先の試合のことよりも目の前の試合です。まずは三遠戦にフォーカスしたいと思いますし、さらに言えば今日はどう過ごすのか、明日はどう過ごすのか、それが大切です。先のことを考えず、目の前のことに集中したいと思います。ただ、これからの連戦はトップチームと言われる相手に対して、自分たちがどれだけできるのか、リーグの中で三河がどういう存在か示すことができるチャンスです。私はそれができるチームだと信じていますので、自信を持って臨みたいと思っています」

シェーファーも「このタイミングで戦えるのはいいこと」と前向きだ。
「CS出場がかかっている中での大事な試合になりますが、このタイミングで上位と連戦できるのはいいチャレンジです。ライアンは終盤にチームがピークを迎えるように指導してきたので、ここで上位と戦い、自分たちのスタイルを確立してCSに突入するのがベスト。やっとフルメンバーがそろいましたし、ここから本当のシーホース三河を見せられると思っています。優勝を目指してやってきた以上、こういう相手に勝たないと成し遂げられません。対等と思って、勝ち切るつもりで臨みます」

上位との5連戦を終えた後も、中地区2位を争う川崎ブレイブサンダース、サンロッカーズ渋谷との直接対決が控えている。いよいよ正念場。三河の「ガチ」が試される時が来た。