「老害」とは、広辞苑には「老人による害」「硬直した考え方の高齢者が影響力を持ち続け、組織の活力が失われること」とされていますが、最近では「若き老害」も注目されています。

■「若き老害」4つの具体的ケース

 この言葉を提唱しているのは、千葉商科大学の常見陽平(つねみ・ようへい)准教授で、20代から40代ぐらいの、組織で老害と化している人のことを指すとしています。

具体的に4つの例を挙げていて、「『あの大型契約、実は俺』などと仕事の武勇伝を語る、「『コロナ前はさぁ…』などとコロナ前の話をやたらとする、「『先輩の酒なくなったの気づけよ!』など、飲み会のふるまい方での説教」、「『お前の気持ちもわかるよ…』など、若手を理解している気でいる」。

【動画で見る】こういう人は『若き老害』かも…提唱者が挙げる“具体的な4つのケース” 若い人から教えてもらう姿勢が大切に

こうした「若き老害」の行動パターンは「昔話、自慢話、説教」で、特徴としてはいつの間にか「マウント」をとっていて、自分の発言と相手とのズレに気づかず、言われた側は「そんな事言われても、私たちどうしようもない」と思ってしまうということです。

■街で聞いた「若き老害」本当にあるのか

 若い世代は「若き老害」を感じているのか、名古屋の街で聞きました。

Q.「若き老害」という言葉を聞いたことがありますか
男子高校生:
「聞いたことないです。普通の老害は感じたことあるんですけど『若き老害』というのはあまり感じたことないですね」

女子大学生4人:
「あんまりない」

「若き老害」は感じたことがないという声が多数でしたが、こんな声もありました。

専門学生の20代女性:
「そんなにひどいのはあまりないんですけど、高校生の時とかには部活とかで感じますね。ちょっと先輩なだけって言ったらアレなんですけど、1年やってきた分、下の子に強く出ちゃったりとか。全部知っていますよという感じで話したりとかはありますね。嫌だな、みたいな」

若き老害を感じたという男子大学生もいました。

大学生の20代男性:
「先輩たちが『俺たちの時代は』とかはありましたね。部活内とか。2個上の先輩が『俺たちの時代はもっと厳しかった』とか、後輩がジュース買ってくるとかありましたね」

10代から20代の30人に調査したところ、8人が感じたことがあると答えました。

老害が若年化している背景について、常見准教授は「価値観や意識の“世代間ギャップ”が非常に細かくなってきている」と指摘しています。

若き老害と言われないためには、常見准教授は「若い人(後輩)の良いところを探す」としていて、若い人から“教えてもらう”という姿勢が大切と話しています。

2024年2月23日放送