愛知県の地方都市、東海市の「hair connect(ヘアー コネクト)」は、深夜2時まで営業する“深夜美容室”です。不思議な時間帯に訪れる客は、多種多様です。

■午前2時まで営業する“深夜美容室”

「hair connect(ヘアー コネクト)」は東海市の名鉄名和(なわ)駅からほど近い住宅街にある美容室です。

【動画で見る】“タイパ”重視する家族や夫婦も…地方都市の住宅街に午前2時まで営業する『深夜美容室』遅い時間から予約が埋まる高いニーズ

美容室というと午後7時から8時までには閉まるのが一般的ですが、この店は午後2時からの遅い開店で、深夜の2時まで、人口11万4千人(2020年のデータ)ほどの東海市で10年以上も営業しているといいます。

スタッフは、オーナーでスタイリストの大場純一さん1人だけです。

■“タイパ重視”の家族や夫婦が来店

 午後9時、1台のワゴン車でやってきたのは4人家族です。

到着するとすぐに、まずは女の子から切り始めました。素早い手捌きでロングヘアをカット。

続いては男の子、そして母親と、段取り良くこなしていました。

母親:
「時間の有効活用ができている感じあります。休みの日は家族とどこか遠出したいとかそういうのもあるので、ちょっと頑張って夜に来ればそれで終わるのは合理的かな」

この夫婦は共働きで、平日は仕事が忙しく、休日も外出や子供の習い事で予定が詰まってしまうため、まとまった時間が取れるのは仕事終わりの平日の夜しかないといいます。

もう10年近く家族で夜に髪を切りに来るのが当たり前、“タイパ”を重視したイマドキの美容室の使い方です。

そして午後11時にやってきたのも、常連でした。半田市から車で30分かけて通う20代の新婚夫婦です。

夫:
「2人とも働いているので、仕事終わって来られる時間に予約してって感じです」

先ほどの一家と同様に共働きのため、“深夜美容室”を重宝しているといいます。妻がパーマをしている間に、夫はカットとこちらも時間の有効活用です。

夫:
「眠いですね。1回家帰ってご飯食べて来た。体洗ってきたので」

髪を切った後は、整髪料もつけずに帰るといいます。

夫:
「何もなしでお願いして、帰ってそのまま寝ています」

妻:
「便利ですね、本当に帰って寝るだけだし。いい意味で人もそんなにいないし。そこが良いかな、仮眠も取れるので」

2人は“深夜美容室”は、昼間よりもリラックスでき、店を出てからも人と会わないので髪をセットする必要もなく、一石二鳥だと感じています。

■仕事の時間が不規則なコンビニオーナーは午前1時に来店

 そして、深夜1時過ぎに来店したのはコンビニのオーナーの男性です。

コンビニオーナーの男性:
「この時間は仕事が終わって、もう家帰るだけなので。この時間じゃないとむしろ来られないみたいな。だからめちゃめちゃ助かりますよ」

勤務時間がコロコロ変わる職種とあって、この美容室の存在に助けられているといいます。

コンビニオーナーの男性:
「正直(美容室が)夜中にやっていることを知らない人たちも多いと思うので、僕は諦めず探したので見つけましたけど、初めから無理だと思って諦めている人たちがいると思うと、需要はもっとあるんじゃないかなと、本当に思いますね」

■遅くまでの営業はオーナー「お客さんの働き方に合わせた時間」

 他にも看護師や飲食店で働く人など、勤務時間が不規則な職業の客が多く、遅い時間帯から予約が埋まっていくといいます。

hair connectのオーナー 大場純一さん:
「午前2時すぎにも電話かかってきますよ。花の買い付けとかやる人たちとかは、市場が開くのが夜中なんですよね。深夜帯というかほぼ朝方、4時とか5時とかなので、買い付け前に来るとか」

この日、最後の客を見送ったのはなんと午前2時半でした。

大場さん:
「ニッチなスキマをちゃんと取れたかなって感じはしますね。色んなお客さんたちの働き方に合わせた営業時間って、こういう形なのかなって僕なりには思っているので、みんなも(深夜に)やればいいのにと思いますけど」

2025年1月9日放送