名古屋市千種区の「加藤林檎 覚王山本店」は、人気のアップルパイの専門店です。その日に渡す手土産を買うことができるようにと、営業時間は早朝の1時間だけです。

■薄暗い地下1階に…人気のアップルパイ専門店「加藤林檎」

 2024年8月13日にオープンした「加藤林檎 覚王山本店」は、名古屋市千種区の日泰寺の参道から歩いて約3分、おしゃれな覚王山エリアにあるビルの階段を降りた薄暗い地下1階にあります。

【動画で見る】営業は午前8時からの1時間だけ…大人気のアップルパイ専門店「加藤林檎」 外はサクサク 中は濃厚 食べたい気持ちが膨らむ"限定感"

午前7時半、すでにドアの外にはオープンを待つお客さんがいました。営業時間は午前8時から1時間だけです。

午前8時に店がオープンすると、さっそくお客さんが店内へと入っていきます。愛知県豊田市から来たという女性は、1時間半以上かけてやってきたといいます。幼い子供を連れた男性もいました。

子供を連れて訪れた男性:
「チビがちょうど起きたタイミングで、やっているというのを聞いたので、これは買いに行けるなと思って急いで来ました」

■1つは「名古屋めし感」も…アップルパイのメニューは2つだけ

 メニューは「基本のアップルパイ」と「日本のアップルパイ」2種類のみです。「基本のアップルパイ」は、新鮮なリンゴがたっぷり入ったパイ生地に、シナモンやカルダモン、クローブといったスパイスを配合した自家製バターを塗り、砂糖をトッピング。

低温のオーブンでじっくり焼き上げることで、サクサク食感が持続するベーシックなアップルパイです。

「日本のアップルパイ」は、名古屋ならではのメニューで、たっぷりのあんことバターの上に、柚子ピールを乗せて豪快にサンドしています。

初めて食べた客:
「すごく濃厚。サクサクしているし、バターとあんこの量がすごい。でも外はパリッとしていておいしい」

思わず、笑顔が溢れてしまう美味しさで、リンゴの甘酸っぱさを引き立てるあんこと、爽やかな柚子ピールが相性抜群だといいます。

「加藤林檎」のアップルパイは、デパートなどで催事を行うと、毎回行列になり、即完売してしまうほどの人気です。

■営業時間を早朝のわずか1時間にしている理由

 ひとつひとつ丁寧に作っているため、1日に販売できる数にどうしても限りがあるといい、お店でも1時間経たずに売り切れてしまう日も多いといいます。

営業時間は、「その日渡す手土産として買うのに便利な時間」としているため、敢えて早朝に営業しています。

加藤林檎のオーナー:
「贈り物文化をコンセプトとしてできたブランドですので、どこかに行く時は午前中に手土産を買って行きたいなって思った時に、本当は8〜9時くらいに買いたいけどなかなか開いているところがないと感じていたので、敢えて早朝にして営業しております」

女性客:
「昼間働いているとなかなか行けないので、ちょうどタイミング的にはいいかな。会社で同僚と一緒に食べたんですけど」

また、営業を1時間だけにしているのには「狙い」もあります。

オーナー:
「いつでもどこでも買えるというより、敢えて限定することで、わざわざその人のために買ってもらえるコンセプトの店になっています」

男性客:
「『なかなか買えないんだよ』って言うといいですよね。『いいもの買ってきたじゃん』みたいな」

女性客:
「『1時間しか売っていない店で買ったよ』って言って渡す」

男性客:
「時間帯が1時間しか買えないとなると、むしろ買って食べてみたいという気に強くなって」

なかなか買えないレアな商品を食べてみたいという気持ちにさせる効果もあるようです。

2025年4月3日放送