ミスタープロ野球、ジャイアンツ終身名誉監督の長嶋茂雄さんが2025年6月3日朝、亡くなりました。現役時代に対戦したドラゴンズのレジェンド、権藤博さんと鈴木孝政さんが、長嶋さんとの思い出を振り返りました。

■「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さんの訃報に名古屋の街でも惜しむ声

　6月3日午前、列島に流れた「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さん(89)の訃報。名古屋の街でも惜しむ声が聞かれました。

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50代：
「子供の頃からずっと見ていた方ですし、野球を離れてからも影響力が強い方だったので」

70代のジャイアンツファン：
「長嶋と王が大好きでな。あんまり言葉が出てこんな、寂しすぎて」

別の70代：
「バッティングもそうだけど、何たってサードの守備がすごくかっこよかった」

長嶋さんは1958年、立教大学卒業後、ジャイアンツに入団しました。ジャイアンツの黄金時代を4番として支え、背番号「3」は球界を代表する選手に。

■戦友の王さん「長嶋さんは特別な存在」

　長嶋さんの訃報を受けて、プロ野球界の関係者も取材に応じました。

福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長：
「長嶋さんは特別な存在でしたからね。グラウンドでのプレーだけじゃなくて、人となりというか、ユーモラスなところもあったし明るいし、長嶋さんなら何でも許されちゃうというような不思議な存在でした」

監督時代の1994年には、ドラゴンズとリーグ優勝をかけた「10.8」決戦で勝利。ドラゴンズの井上一樹監督はこの試合でベンチ入りしていました。
ドラゴンズの井上一樹監督：
「みんなをもっていく明るさといいますか。相手ベンチから見ていた時も『おぉ～長嶋さんだ！』というようなイメージで見ていた」

■「長嶋さんは別格」ドラゴンズレジェンドの権藤さんは現役時代に三振奪えず

　ドラゴンズのレジェンド・権藤博さん(86)も、長嶋さんとの思い出を振り返りました。

権藤博さん：
「最後に会ったのは（4～5年前の）宮崎のキャンプでお会いしましたけど。『ミスター、権藤です。覚えてくれていますか？』と言ったら『ゴンちゃん、覚えてるよ！』とは言ってくれましたけどね。ミスターのことだから、復活してくると期待していましたけどね」
権藤さんは1961年、プロ初登板で既にスーパースターだった長嶋さんと対決しました。

権藤さん：
「『3番 サード 長嶋』とアナウンスされた時、これが天下の長嶋かと思って。投げたらガーンと打たれたのがレフトフェンス上段直撃で、ホームランと紙一重のツーベース」

プロ1年目、310もの三振を奪った権藤さんですが、長嶋さんからは1つの三振も奪えなかったといいます。

権藤さん：
「ミスタープロ野球、別格ですね」

長嶋さんが監督になってからも「別格だった」と振り返ります。

権藤さん：
「分からないですもんね、長嶋さんは。バッティングと同じで何をしでかしてくるのか。『10.8』もすごいピッチャーを突っ込んで、最後はドラゴンズがやられたんですよね」

■長嶋さんから三振奪った試合でサインもらう…ドラゴンズOBの鈴木さんの思い出

　長嶋さんと同じ千葉県出身で、ドラゴンズOBの鈴木孝政さんは、長嶋さんからサインをもらった時の思い出を話してくれました。

鈴木孝政さん：
「これなんですけど、どうしてもサインが欲しくなって」
プロ初勝利を挙げた日、長嶋さんから空振り三振を奪うと、サインを頼んだところ、快く応じてくれたといいます。

鈴木さん：
「（長嶋さんが）ロッカーに入ったなというのを見計らって（巨人ベンチへ）。そしたら長嶋さんがパンツ一丁だったですね。『お前、球速いな〜』とか言ってくれて」

サインに添えられた文字は「快打洗心」。
鈴木さん：
「打っても走っても捕っても投げても、全部がかっこよく見えるんだから、憧れと夢の代表であり、プロ野球＝長嶋茂雄であり」

長嶋茂雄さんの存在は、多くの人たちの記憶にいつまでも残り続けます。