
3月に入り早咲きの桜が開く中、注意が必要なのが「食中毒」です。気温が上がり始め、細菌の活動も活発になってくるこの季節は、食中毒が発生しやすく注意が必要です。
■“油断”と“行楽”で…増える『3月の食中毒』
いったいなぜ、3月に食中毒が急増するのでしょうか?食品の安全について詳しい専門家に聞きました。
【動画で見る】細菌もウイルスも寄生虫も…実は3月に多い「食中毒」ポイントは“油断”と“行楽” 弁当店に学ぶ徹底対策

名古屋文理大学短期大学部の佐藤生一名誉教授:
「細菌、ウイルス、寄生虫、この3つが3月ぐらいに固まって出てきています。よく言われるのが、油断と行楽。行事を含めてどこかへ行って食事するとか、弁当・仕出し弁当などを食べるとか。これが3月に多くなる理由です」
名古屋市昭和区の弁当店「toto vege」では、食中毒対策を徹底しています。
代表の祖父江ゆかりさん:
「爪の間も手首も、全部きれいに洗います」
手や調理台の消毒はもちろん、器具をこまめに洗ったり、食品ごとにトレーを分けて冷ましたりするなど、対策を欠かしません。

ご飯を詰める時も、温かいまま蓋をすると蒸れて菌が繁殖しやすいため、扇風機でご飯をしっかり冷ましてから蓋をしています。さらに…。
祖父江代表:
「食中毒対策が万全な体制で取られているかを、外部の検査機関に検査してもらった結果になります」
食品の微生物を検査する民間の機関に定期的に弁当を送り、大腸菌や黄色ブドウ球菌などのリスクを“見える化”して、安全を確かめています。

対策を徹底した手作り弁当に、利用客は…。
利用客:
「厨房の中がよく見えるので、すごく信頼できる。自分だと思いつかないところとか、徹底して管理されているんだろうなと」
祖父江代表:
「夏は暑いので、食中毒対策は緊張して行っていると思いますけど、最近は3〜5月も夏日が非常に多くなってきているので、夏に限らず3〜5月も食中毒対策はしっかり行うべきかなと」
■食中毒の『ビッグ3』が…まだ暑くなくても対策を
ここ5年間の月別の平均食中毒発生件数は、10月に次いで3月が多く、夏の時期よりも多くなっています。その理由として、名古屋文理大学短期大学部の佐藤名誉教授は「食中毒のビッグ3」と呼ばれる要因が、3月はすべて揃っていると指摘します。

・黄色ブドウ球菌などの「細菌性」は夏に多発するが、3月は増え始める時期
・ノロウイルスなどの「ウイルス性」は冬がピークだが、3月はまだまだ残っている
・アニキサスなどの「寄生虫」は、一年中いつでも起こる
さらに、3月は山菜などの植物による「自然毒」も増えてきます。ニラとスイセンを間違えて食べる、毒キノコを食べる、などのケースがあります。
そして、3月は私たちも「まだ暑くないから」と油断しがちです。

・「2日目のカレー美味しいよね」と常温で保存
→細菌が繁殖してしまい、ウェルシュ菌などの食中毒のおそれ
・「生でいけるなら生で」と生魚を食べる
→寄生虫に感染するおそれ
・水で濡らす程度の手洗いや、タオルの共用
→ノロウイルスなどの感染を広げてしまうおそれ
また、春は桜のシーズンで、花見などで外で食事をすることも多く、食中毒のリスクが高まるため、対策は欠かせません。
・トイレにスマホを持ち込まない
・しっかり手を洗い、使うタオルは分ける
・カレーなどが残ったら、すぐ冷まして容器をかえて保存する
・調理の際は、手洗いのほか使い捨て手袋の活用も
など、油断せずに対策を心がけてください。