“あんぱんちゃん”は1日800個も…昭和22年創業の老舗パン店 二人三脚で地域に寄り添い続ける夫婦の願い


 岐阜駅前で長年愛される老舗パン店「サカエパン」。1日800個売れる名物・あんぱんを支えるのは、夫婦二人三脚の手仕事とこだわりの製法。地域に寄り添い続ける町のパン店、その魅力を伝えます。

■昭和から続く名物「あんぱん」
 JR岐阜駅の近くにある、昭和22年創業の小さなベーカリー「サカエパン」。店内には、焼きたてのパンの香りが広がります。

【動画で見る】“あんぱんちゃん”は1日800個も…昭和22年創業の老舗パン店 二人三脚で地域に寄り添い続ける夫婦の願い

食パンや総菜パンなど70種類以上が並ぶ中、地元の人に長年愛されている名物が「あんぱん」です。

客:
「とにかくあんがぎっしり」
別の客:
「あんにコクがあって、何とも言えない」

多くの客が口を揃えておいしいと話す「あんぱんちゃん」(160円)。生イーストで長時間熟成させた生地は、やわらかくしっとり。北海道・十勝産のあずきを使った甘さ控えめの粒あんが、たっぷり詰まっています。

客:
「あんぱん15個。おいしいもん」
別の客:
「20個。友達に」

多い日には800個以上売れる店の看板商品です。

このあんぱんを作るのは、高木芳継さん(62)と妻・菜穂子さん。夫婦二人三脚で店を切り盛りしています。

菜穂子さん:
「どちらかが倒れると進まなくなるので、2人で仲良くやっています」

芳継さん:
「お客さんが喜んでくれるように頑張っています。お客さんに愛されたいって毎日思っています」

■早朝4時から丁寧なパン作り
 パン作りが始まるのは午前4時過ぎ。前日に仕込んでおいたあんぱんの生地を取り出します。

芳継さん:
「生地を寝かせる時間は24時間くらい」

時間をかけて熟成させることで、もっちりとした食感に仕上がります。生地ができあがると、手作業で粒あんをたっぷり包みます。

芳継さん:
「今は甘さ控えめが好まれるので、砂糖は以前よりは控えめにしています」

表面にごまをつけ、卵を塗ってからオーブンへ。

芳継さん:
「水分を閉じ込められるのと、卵の香ばしさも出ます」

オーブンで10分ほど焼き上げると、厨房いっぱいに香ばしい香りが広がります。開店の6時50分に向け、次々とパンを焼き上げていきます。

70種類以上のパンは、具材も調理もすべて手作り。

芳継さん:
「先代のときはここまで多くはなかった。常連さんが多いので、飽きないように種類を増やしてきました」

■愛され続ける理由
 サカエパンは、芳継さんの祖父が昭和22年に創業。「あんぱん」は当時からの看板商品です。28歳で家業に入った芳継さんですが、当時は継ぐつもりはなかったといいます。

芳継さん:
「両親を見ていても儲かっていなかった。ただ、いろいろな仕事をして、自分には特別な才能や技術がないとわかったんです」

そう話す芳継さんは、34年間、愚直にパンを作り続けてきました。

芳継さん:
「ここで育った子どもたちが、『地元にはおいしいパン屋があるんだぞ』って自慢してもらえたらうれしい」

開店時間の午前6時50分。店内には焼きたてのパンが並び、いい香りに包まれます。

客:
「あんこがずっしり詰まっていて、ほどよい甘さでおいしい」
別の客:
「父が好きだったので、買ってお供えしている。これを買って毎月母と話すんです」

あんぱんを仏壇に供え、亡き父親の思い出話に花を咲かせるといいます。

芳継さんは、早朝から休憩もとらずにパンを作り続け、休みは年間10日ほどといいます。その理由には、こんな出来事がありました。

芳継さん:
「去年、男の子が『せっかくあんぱんを買いに来たのに』って泣かれて。そんなの見るともう少し頑張ろうと。期待に応えたいと思う」

夫婦で支え合いながら続けてきたパン作りも、気がつけば20年以上。

芳継さん:
「目標は、長く続けていくことです」

サカエパンは、これからも地域に寄り添いながら、変わらぬ味を届け続けていきます。

2026年4月1日放送

トップに戻る


TOPへ戻る