10年後とみられるリニア開業…再開発の遅れが懸案の『名古屋駅周辺』利便性高める東側に対して“駅西”は個性打ち出すエリアに


 再開発の遅れが懸案となっている名古屋駅周辺。名古屋市や名鉄、JR東海などは28日、新たな街づくりの指針をまとめる検討会を始めました。次世代へどんな街づくりを進めるのでしょうか。

■名鉄ビル白紙にリニアも遅れ…どうなる名駅再開発

 東口の旧名鉄百貨店のビルに、西口には古くからの商店も広がる名古屋駅周辺。今後、どのように再開発が進むのでしょうか。

 28日に行われた「名駅グランドデザイン懇談会」には、名古屋市や愛知県のほか、名鉄、JR東海など、17の組織と有識者らが参加しました。

 会議のきっかけは、名鉄が去年12月、名駅前のビルを取り壊して新たに高層ビルを建設する計画を資材の高騰などで白紙にしたことです。

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 さらにJR東海も、リニア中央新幹線の開業が大幅に遅れ、将来の名駅前の街づくりの新たな方向性を今年度中にまとめるとしています。

 大型の再開発が遅れる一方、3月に公表されたのが、名古屋駅前の広場のデザイン計画です。

名古屋市名駅ターミナル整備課の担当者:
「誰にとっても分かりやすい、使いやすい、そんな駅前広場にしていこうと」

 名古屋市が示すデザイン計画では、「飛翔」があった場所まで歩行者のスペースを拡張。中央コンコースから真っ直ぐ街へと繰り出せるつくりにして、駅前の賑わいの創出を狙います。

名古屋市名駅ターミナル整備課の担当者:
「名鉄や近鉄に乗り換えようとすると、駅を出ても向こう側の見通しが悪い状態で、乗り換え先が一目で分かりにくい」

 さらに、駅を出て名鉄や近鉄へのルートを遮る部分もなくして、見通しがきき、乗り換えやすい動線を確保します。

 また、タクシーと一般車のロータリーも分け、混雑の緩和を狙います。

名古屋市名駅ターミナル整備課の担当者:
「乗り換えの分かりやすさ、街への行きやすさ、そういった機能面だけではなくて、名古屋の顔となる空間を、街の皆さまと一緒につくっていけたらなと思っております」

■「駅西」はどんな姿に?リニア開業後は芝生広場も…

 名古屋駅の駅前広場の設計が進む一方、駅の西側・通称「駅西」では、リニア中央新幹線の工事が進んでいます。

 リニアの開業を見据え、駅西の街づくりについて名古屋市と議論を重ねる「名古屋駅太閤通口まちづくり協議会」のメンバー、堀江さんと山田さん。堀江さんは、駅の西側は「戦後に闇市が広がったエリア」だと話します。

 当時、“東洋一の駅舎”と呼ばれた名古屋駅。昭和30年代、戦後の高度成長期には集団就職の中学生がホームに列をなすなど、その光景はさながら戦後の復興を象徴するようでした。

 しかし「駅西」は戦後の区画整理が進まず、闇市の流れが続いた歴史があります。当時は道路も舗装されておらず、雨が降れば路面にはぬかるみが現れ、今もある小学校の前には、かつて牛を飼育する牧場がありました。

 街には個人商店が数多く立ち並び、生活と住まいの空間が一体になっていたと言います。

山田さん:
「労働で名古屋駅に立ち寄る方が多かったので、物流でモノを運んだ後に、簡易宿泊所がたくさん立ち並んでいたので、そこを利用して夜に遊びに行ったり食事をとったり、そういう需要が高かったと聞いています」

 1964年に新幹線が開業し、鉄道というインフラを起点に賑わいを生み続けてきた駅西。10年後とみられるリニアの開業では、西口の駅前に雲の形の屋根が広がり、通路を拡張する形で整備されるほか、リニアの駅の上には芝生広場もできる計画です。

 また名古屋市は3月、住民側と連携して駅西の街づくりを進める方針を発表しました。将来、駅西の姿はどう変わるのでしょうか。

堀江さん:
「60年前、東海道新幹線の開通に向けて街が大きく様変わりした体験を、プレーヤーとして関われるのはすごく楽しみもあります。10年後、20年後も商売だったり、つながりが続く町であるといいなと思います」

■西側は「リニアタウン」に サブカルなど生かした個性的な街作りに

 リニアをきっかけに、名古屋駅周辺が大きく生まれ変わろうとしています。

 リニアの駅は、東海道新幹線などと交差するように作られます。そして、名古屋の玄関口となる東側の駅前広場を大幅にリニューアルします。

 さらに、東側に比べ開発が遅れていた西側を「リニアタウン」として、賑わいを生み出そうとしています。リニアタウンには芝生広場が設けられ、のんびりくつろいだり、イベントを開催できたりするようになります。

 このエリアには、韓国やインドなどの外国料理店やアニメ関連の店が多くあることから、国際色やサブカルチャーを前面に出した個性的な街づくりを進めるとしています。

 一方で、気になるのが名鉄の再開発の行方です。2026年2月に名鉄百貨店が閉店しましたが、計画されていた新たなビルの建設は、建設費の高騰などから白紙となりました。

 賑わいを残すために、百貨店の建物を少なくとも2030年ごろまで残し、6月下旬からは地下1階で和菓子店などが入る土産物売り場の営業を始める方向で調整しています。また、低層階の活用についても検討しているということです。

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