地元産のワタリガニを使用…愛知県南知多町の料理宿で話題の『カンジャンケジャン』新名物を生んだ試行錯誤


 愛知県南知多町の料理宿で話題となっている「カンジャンケジャン」。地元で獲れたワタリガニを使った新名物で、店主が試行錯誤の末に生み出した一品です。地域を盛り上げたいという思いと、その味の魅力に迫ります。

■料理宿の新名物「カンジャンケジャン」

 愛知県南知多町、内海海水浴場の近くにある「地場鮮魚 小枡園(こますえん)」。宿泊だけでなく、食事のみでも利用できる料理宿です。

旬のマダイを味わう「刺身」や、甘辛いタレで煮込んだ「煮魚」、お頭付きのマダイを土鍋で炊き上げた「鯛めし」など、海の幸を生かした料理が人気を集めています。

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そんな店で今、話題となっているのが「カンジャンケジャン」。ワタリガニを特製のしょうゆダレで漬け込んだ韓国の郷土料理です。甘味のある身と、濃厚な内子の旨味が特徴で、身を味わったあとは甲羅にご飯を入れて楽しみます。

客:
「辛すぎず、素材の味が生きていてすごくおいしい」
別の客:
「味噌のほろ苦さもあって、とてもおいしい」

■店主のワタリガニへの思い

 地元のワタリガニを使った「カンジャンケジャン」を新名物にしたいと奮闘しているのが、2代目店主の磯部泰賀さん(40)です。

磯部さん:
「フグやタコなど観光名物はありますが、僕はワタリガニが好き。こだわっているので、この町に来てくれる人が増えたらうれしいです」

午後1時45分。磯部さんは車で15分ほどの「片名漁港」へ向かいます。午後2時から始まる“夕市”と呼ばれるセリで、ワタリガニを仕入れるのが日課です。

磯部さん:
「身が甘い。ズワイガニやタラバガニとは違う独特の風味があります」

午前8時。朝一番の仕事はワタリガニの下処理です。生で食べるため、まずは水洗いし、その後、日本酒を使って細かい部分まで丁寧に掃除します。殺菌効果も期待できるといいます。

磯部さん:
「今の時季はほとんど外れがなく、内子がぎっしり詰まっています」

続いてはタレ作り。ベースはシイタケや昆布、サバぶしから取った和風だしです。そこへショウガ、ネギ、乾燥シイタケ、ダイコン、タマネギ、ニンニク、リンゴ、唐辛子、ブラックペッパーを加えます。さらに韓国の甘草という甘みのある木の枝や、風味付けのナツメも投入。

日本酒や芋焼酎、少し甘めの韓国産しょうゆ、地元のたまりしょうゆ、魚醤も加え、約1時間じっくり煮込みます。

下処理を終えたワタリガニを鍋に並べ、自慢のしょうゆダレを注いでひと晩漬け込めば完成です。

ワタリガニの甘みと自家製ダレが絶妙な「カンジャンケジャン」(1杯3300円~)。濃厚な内子が味わえる今の時季ならではの、南知多のごちそうです。

■韓国にも負けない知多半島のワタリガニ

 午前11時半の開店と同時に、「カンジャンケジャン」目当てに客が次々と訪れます。

客:
「韓国でもよく食べるけど、ここの方がおいしい」
別の客:
「こっちの方が新鮮。味が濃い」

南知多出身で、24歳で家業に入った磯部さん。年々、観光客が減っていくふるさとの変化を感じていたといいます。

磯部さん:
「海開きしたばかりなのに人が少なくて、砂浜に隙間ができていた」

新たな名物があれば町に観光客を呼べるのではないか。そう考えた磯部さんが目を付けたのが、地元の「ワタリガニ」でした。

南知多は古くからワタリガニの産地として知られ、この時季になると各店で提供されてきました。

磯部さん:
「今の若い人はカニの剥き方も分からない。新たなカニ料理を探している中で、SNSでカンジャンケジャンを見つけた」

本場・韓国へ足を運び研究を重ねる中で、磯部さんは「韓国のカニより知多半島のカニの方がおいしい」と確信しました。

磯部さん:
「鮮度と扱い方。これを知多半島でやれば絶対に流行ると思いました」

日本人向けにアレンジした、南知多ならではの「カンジャンケジャン」。2年にわたる試行錯誤の末、2025年についに完成しました。

磯部さん:
「去年も反響がすごかったですが、今年はそれ以上。お客さんが待っていてくれています」

■ふるさとを元気にしたい

 磯部さんが着ているTシャツには「南知多ケジャニストクラブ」の文字。

現在、南知多の4店舗が「南知多ケジャン」を提供しています。磯部さんの呼びかけで、地域が一体となり新たな名物づくりに挑戦しています。

磯部さん:
「自分の店だけでは広がらない。何店舗かで同じ食材を推していくことで名物になる。共感してくれる仲間と一緒にやることで、町は元気になる」

カンジャンケジャンはふるさとを元気にする、新たな名物として注目を集めています。

磯部さん:
「おいしいものがあるから南知多へ行こう、そう思われることが大事。これから新しいものが生まれる町になってほしい。ふるさとを総力挙げて盛り上げたい」

南知多の新名物づくり。その挑戦は、まだ始まったばかりです。

2026年4月30日放送

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