週末は1000人超が来店…岐阜県高山市に89歳の大将が打つ名物うどん 地元の人が愛する“日常の一杯”


 インバウンド客でにぎわう岐阜県高山市で、地元民に長年愛される“ソウルフード”のうどん。創業70年の製麺所には連日多くの客が訪れ、90歳目前の名物店主が今も店を支えています。

■高山で人気のソウルフード

 高山駅の北、古い町並みから少し離れた場所に、地域に寄り添い続けて70年の「新井こう平製麺所」があります。週末には1000人以上が訪れる人気店です。

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高山といえば、全国ブランドの飛騨牛や、あっさりスープに極細ちぢれ麺の高山ラーメンが有名ですが、実は、地元の人たちにとってのソウルフードは“うどん”です。

客:
「早い、安い、うまい」
別の客:
「水曜と木曜が休みなので、それ以外は毎日来ています」

店内にメニュー表はなく、食券制。何玉にするかとトッピングを選び、カウンターで“麺の種類”と“食べ方”を伝えます。

客:
「うどん・そば・きしめんの3つから選べます。味が濃くてやみつきになります」

めんは、その日の朝に打った、うどん・きしめん・そばの3種類。食べ方は、釜揚げの“ゆづき”や、うどんとそばを混ぜる“まじり”など、好みに合わせて選べます。

さらに、つゆの温度や濃さも好みに応じて調整が可能で、つゆを薄めたい人のためにお湯も用意されています。

一番人気は、ベーシックな「かけうどん」(1玉480円)。めんとつゆを別々にした釜揚げ「うどん(ゆづき)」(1玉480円)や、「3色(うどん・きしめん・そば)」(かき揚げ・玉子入り 650円)も人気です。

トッピングは、自家製かき揚げとタマゴのみ。タマゴは半熟・固ゆで・生から選べます。

やみつきになる理由は、濃いめのつゆと柔らかい麺。

客:
「濃いっていう人もいますが、ちょうどいいです」
別の客:
「製麺所だけあって、麺がもちもちでおいしいです」

大人から子どもまで、多くの人を魅了しています。

■高山の定番“朝うどん”

 朝6時の開店と同時に、次々と客が訪れます。

客:
「朝はうどん。これを食べてから仕事へ」
別の客:
「朝うどんを食べて、1日を元気に過ごそうという習慣です」

高山では“朝うどん”が定番です。

忙しい朝に客を待たせないよう、注文が入る前から複数の釜で時間差で麺を茹で始めます。そのため、注文と同時に盛り付けが始まり、早ければ食券を渡してから30秒で完成します。

常連客の場合は、食券を買った瞬間に完成したうどんが提供されることも。

昼には行列ができ、閉店までの8時間半、客足が途絶えることはありませんでした。

■89歳店主が始めた70年愛される店

 店の味を築き上げたのは、創業者で名物店主の新井浩平さん(89)です。

浩平さん:
「この8月で90歳です。70年やってきましたけど、好きなのでやめたいと思ったことはありません」

89歳になった今も元気に働く、店の看板大将です。

浩平さんが製麺所を始めたのは19歳のころ。

浩平さん:
「小さいころ、母親がどこかで乾麺を手に入れて作ってくれたんです。それがおいしくて、おいしくて」

高山市民のソウルフードとなった浩平さんのうどん。その原点には、戦時中、食べるものが少ない中で母親が作ってくれた思い出の味がありました。

その思いから、製麺所に1つのテーブルを置き、打ちたての麺を提供し始めたのが店の始まりでした。

ちなみに店の看板は、浩平(89)さん自身が書いたものだといいます。

70年愛されてきた「新井こう平製麺所」。まもなく90歳を迎える浩平さんは、これからも店に立ち続けたいと話します。

浩平さん:
「それほどの店じゃないけど、皆さんが支えてくれて今まで頑張れました。95歳ぐらいまでは頑張りたい」

地元の人たちの日常を支える一杯には、70年変わらない味と店主の思いが詰まっていました。

2026年5月7日放送

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