ゲーミングギア『ZENAIM』も実は…自動車業界の大変革期に“脱・自動車”の新規事業 クルマの技術から広がる可能性

『100年に一度の大変革期』といわれる自動車業界。『脱・自動車』で新規事業に乗り出す東海地方の会社が増えています。
■技術を結集し…“ゲーマー好み”のキーボードを
愛知が誇るモノづくり企業・東海理化。車のシフトレバーといった自動車に欠かせない数多くの部品が主力製品です。
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(リポート)
「自動車のパーツ、部品を作っているということなんですけど、ここだけ何か状況が違いますね。ゲームの画面があります」
豊川市にある音羽工場の一角で作っていたのは、直径1センチ四方の小さな白い部品。
東海理化の担当者:
「キーボードのスイッチを作っている工程です。元々自動車のシフトバイワイヤというレバーで使われている技術を持ってきたりとか、自動車部品でやってきたこと全てが、このZENAIMのキーボードに生かされていると思います」

これはゲーム用キーボードの部品。東海理化の場合は、キーの中に専用の機械で磁石が入れられていますが、このキーに東海理化が誇る技術が活用されています。
一般的なキーボードは、キーを押し込むことで内部に接点を作り、パソコンなどに信号を送っていますが、東海理化のキーボードは物理的な接触ではなく、内蔵の磁石から出る磁気の強弱をセンサーが感知。押し込む力が弱くても信号が送られる仕組みになっていて、ゲーマーに好まれる繊細なタッチを可能にします。

元々は、車のシフトレバーのオン・オフを切り替える際などに活用していた技術を、新たな事業に役立てているのです。
東海理化の二之夕裕美社長:
「会社の中での意識改革を狙ったものなんですね。一つは、ずっと自動車で78年間やらせていただいてきましたけど、『脱・自動車』にぜひチャレンジしようということで」
キーワードは「脱・自動車」。電気自動車への転換が加速するなど、自動車業界は今、100年に一度の大変革期。
車で培ってきた技術を応用したゲーム用キーボードで、市場が急拡大するeスポーツ業界に参入し、1台3万円を超える商品ですが、3年前からの販売で既に1万台以上売れています。

東海理化の二之夕裕美社長:
「一番はやっぱり社員の人たちが、頼まれて作っていた物から、自分たちが考えて提案した物を作っていけると、スタイルが180度変わるんじゃないかと。そうすると『もっとこんなものを、もっとこんなものを』って貪欲に提案が出てくると、すごい勢いで回り始めることに期待している」
■イチゴをキレイに赤く…どんな技術が?
一方、エアバッグで国内トップクラスのシェアを誇る豊田合成。三重県のいなべ工場では、水素自動車「MIRAI」の水素タンクなどを製造しています。

こちらの新規事業は、何枚も何枚も扉を抜けた先で行われていました。
豊田合成の担当者:
「イチゴの試験栽培をしているハウスです。植物の栽培にLEDの光を使っているんですけど、通常の照明ではなくて植物栽培用のLEDになっていまして、植物が光合成をするのに必要な光を含んでいるLEDです」

ノーベル賞受賞者・名古屋大学の天野浩特別教授のLED研究を元に、世界初の製品化に成功した豊田合成。
培ってきた技術を応用し、ハウス内のLEDをイチゴの成長に適した光の量と色合いに調整しているそうです。

現在は、屋外に作ったハウスで実証実験の真っただ中。全自動の水やり機も含めてソーラー発電で電力を賄い、1年中栽培可能な“LEDイチゴハウス”を、新規事業として2027年度中にも売り出す目標です。
豊田合成の担当者:
「実際に育ててみると、イチゴを栽培して収穫できることが確認できたので、これからもっと規模を大きくして広げていきたいと思っています」

自動車業界の大変革期に、「脱・自動車」の新規事業。各社が培ってきた技術は、新たな可能性を次々に見出しています。

