飛び降り自殺による『巻き添え死』誰がどのように賠償責任を果たすのか 請求側の遺族には“高いハードル”


 名古屋市中区で今月19日、マンションから男性が転落し、地上にいた女性が巻き込まれ死亡する事故がありました。もし転落に巻き込まれたら、責任は誰が負い、賠償責任はどうなるのでしょうか?

■転落事故の巻き添えに…過去にも痛ましい出来事が

(リポート)
「事故があった現場です。男性はこちらのマンションから転落し、地上にいた女性に直撃しました」

今月19日、名古屋市中区のマンションから男性が転落し、歩道にいた23歳の女性が巻き込まれ死亡した事故。

警察によりますと、マンションの出入り口はオートロックで、誰もが自由に出入りはできず、屋上にカギがかかっていたことから、別の場所から転落したということです。

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警察は、男性が自ら飛び降りた「自殺」なのか、足を踏み外すなど何らかの理由で転落した「事故」なのか、それとも第三者の関与がある「事件」なのか、あらゆる方向で調べています。

転落した男性は20日時点でも意識不明で、現場に遺書などはなかったということです。

高所からの転落による痛ましい出来事は、これまでも各地で起きています。

大阪市北区では2025年5月、タワーマンションの43階から住民の男性(当時70)が転落し、下にいた自転車の男性(当時59)に直撃し、いずれも死亡しました。

2020年10月には、大阪・梅田の商業施設の屋上から男子高校生(当時17)が転落し、女子大学生(当時19)を巻き添えにして死亡しました。

この他にも2007年11月には、東京・豊島区の商業施設の屋上から飛び降りた女性(当時25)が男性(当時38)を巻き添えにし、2人とも死亡するなどしています。

■遺族への賠償責任も…請求には“高いハードル”

 建物からの転落による“巻き添え死”が起きた場合、巻き込まれた側の遺族への賠償はどうなるのでしょうか?東海テレビ「ニュースONE」のコメンテーター、菊地幸夫弁護士に聞きました。

菊地弁護士によりますと、一般的に事故ではなく自殺だった場合、転落した側は「重過失致死罪」が成立する可能性があるといいます。

民法709条では『故意または過失によって、他人の権利や利益を損害した場合、その損害を賠償する責任を負う』と定められ、遺族に対して損害賠償責任を負うことになります。

ただ、転落した人が死亡した場合、法的には請求が可能なものの、実際には高いハードルがあります。

それが「相続放棄」です。本来、転落した人が負うべき賠償責任は、転落者が死亡した場合、両親などの家族に相続されますが、相続を知った時から3カ月以内に放棄すれば、賠償請求ができなくなるのです。

菊地幸夫弁護士:
「賠償額が千万単位いくことも十分に可能性があります。そうすると『相続放棄」という形で対抗する可能性が高いと考えざるを得ない。最初の人が相続放棄したとしても、次の相続人に責任が移っていきますので、相続人が次から次へと放棄して誰もいなくなったというような、無駄骨だったということになりかねない」

悩みや不安がある場合は、電話やSNSで相談する方法があります。厚生労働省のホームページにも案内がありますので、こちらに相談してください。

◆#いのちSOS(自殺対策支援センターライフリンク)0120-061-338
◆いのちの電話 0120-783-556

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