暑さしのげる場所を…熊本地震の被災地に名工大教授が開発した『インスタントハウス』空き地に1時間半程で完成


 熊本県では初の酷暑日となるなど危険な暑さが続いていて、被災地では熱中症の疑いによる死者も出ています。関連死を食い止めるべく、東海3県からも命を守る支援が始まっています。

■被災地で初の“酷暑日”…東海3県からも支援

 熊本地震から7日目、高市総理も現地入りし、震度7を観測した氷川町の中学校で避難している人と意見交換を行っています。

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 被災した人を苦しめているのは、記録的な暑さです。3日の最高気温は、熊本市で観測史上最高の40.3度と初の「酷暑日」になりました。

車中泊をする人:
「ガソリンがもったいなくて、エアコンをつけっぱなしにするのが怖い。暑くてちょくちょく目が覚めている」

 7月30日には、車中泊をしていた70代の女性が熱中症の疑いで死亡しました。女性が乗っていた車は、ガソリンが空でエアコンが止まっていたといい、熊本県ではこの女性を含め一連の地震による死者が38人になりました。

 被災地に求められているのは、安全で健康に過ごせる環境です。東海3県からも支援チームが続々と出発しています。

 岐阜県では3日、保健師や管理栄養士など5人が出発しました。全員、能登半島地震などでの災害派遣の経験があり、避難所で被災者の健康状態の確認や、熱中症の対策にあたります。

 岐阜市でも、給水活動にあたる職員の出発式が行われました。国交省によると、3日午前9時時点で、熊本では5つの市町でおよそ4万5000戸が断水しているということで、岐阜市では1.8トンの給水タンク車と職員4人が被災地に入ります。

岐阜市上下水道事業政策課の課長:
「立っているだけでも汗が出る状況ですので、水分が本当に必要だと思いますし、少しでも力になればと思っております」

■わずか1時間半で完成…暑さしのぐ“インスタントハウス”

 震度7を観測した熊本県氷川町。8月1日の取材時は35.9度でした。倒壊した住宅の人は車中泊も多く、日中は屋根のあるところに扇風機を置いて休むなどしています。

 そんな中、暑さをしのげる場所を提供しようと、名古屋工業大学で建築デザインなどが専門の北川啓介教授が開発した「インスタントハウス」が建てられました。

 空気を入れるだけなら15分、内側から断熱材を吹き付けて1時間半ほどで完成します。広さは12畳ほど、断熱材のおかげで熱が伝わらず、夏場はクーラーをつけていなくても体感温度が7度も違うといいます。

北川啓介教授:
「今回はサーキュレーターも持ってきていますし、数日後にはクーラーをつけようと思っていて、冷蔵庫みたいに冷えますので。そういう住環境、安心して足を伸ばしてほっとできるような空間をお届けしたい」

 これまで車中泊をしていたという男性は…。

被災した人:
「だいぶ涼しくなった。熱が逃げたかな。いいですね、プライバシーが守られる感じで。家族単位で生活した方がいいよね」

北川啓介教授:
「大事なふるさとが損なわれているのは、すごく心も落ち込んでいると思う、体だけじゃなくて。希望を感じていただけるように、その象徴としてお家を持っていただくのはすごく大切なことだと思っています」

 インスタントハウスはこの日、氷川町の空き地に5棟建てられ、今後県内で50棟の建設が予定されています。

■真夏の災害に備え…プロパンガスのエアコンも

 暑さが続く中での避難生活。東海3県では、どのような対策が取られているのでしょうか。

 名古屋市中村区にある稲葉地小学校。名古屋市立の小学校では、3年前から体育館のエアコン設置が順次始まっていて、現在259校のうち107校で設置されています。

 エアコンは電気と都市ガスで動いていますが、避難所として使われることを想定した仕組みも。

 体育館の近くにはプロパンガスのボンベ14本が置かれていて、都市ガスが供給されなくなってもプロパンガスを燃料にすることができます。24時間稼働させたとしても3日間は持つといいます。

稲葉地小学校の教頭:
「エアコンが災害時に使えることは、今の気象状況を考えるとすごくいいことだなと思います。災害の状況にもよると思うんですけれど、順に空いた教室を開けることも必要かなと思います」

 名古屋市では、2028年度に小学校の全ての体育館でエアコンの設置が完了する予定です。

 稲葉地小学校では5カ月前にエアコンを設置したため、11月に予定されている避難訓練で、地域の人にプロパンガスを使ったエアコンの操作方法を教えることにしています。

稲葉地小学校の教頭:
「学校が開いている時に災害が起きるとは限らない。地域の方もエアコンを始動できることが必要になってくるかなと思っています」

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