完成目前で姿消す…一度も列車が走らなかった『幻の鉄道路線』現在は“格安の土地”として高架を活かした工場も


 名古屋の街に残るコンクリートの巨大な構造物。実は、一度も列車が走ることなく計画が凍結された「幻の鉄道路線」の名残です。完成目前で姿を消した南方貨物線は、いま工場や太陽光発電施設として第二の役割を担っています。

■幻の鉄道路線「南方貨物線」の名残

「南方貨物線」は、1967年、旧国鉄が貨物輸送専用のバイパスとして、現在の名古屋貨物ターミナル駅から南区の笠寺駅を経て、大府駅までのおよそ26kmを結ぶ計画で建設を始めた貨物列車用の路線です。

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総事業費345億円をかけて工事は完成目前まで進みました。しかし、騒音などを懸念した沿線住民の反対運動に加え、モータリゼーションの進展による鉄道貨物輸送量の減少などを受け、着工から16年後の1983年に工事が凍結。

結局、一度も列車が走ることなく、「幻の貨物線」となりました。

■幻の路線構造物の新たな活用法

 その跡をたどると、南方貨物線の橋脚や高架を活用した建物がありました。

名技機工・伊藤達志社長:
「屋根が南方貨物線です。天井や壁も、もともとあった構造物をそのまま使っています」

配管や配線工事を手がける「名技機工」の工場です。1990年ごろ、この場所に工場を建てました。

伊藤社長:
「1坪40万円ぐらい(で購入しました)。南方貨物線の土地が空いて『使っていいよ』という話になったので、高架下を使用し始めました」

構造物付きの土地で格安だったことも魅力でした。高架はそのまま屋根として利用され、日よけの役割も果たしています。

伊藤社長:
「天井も高く、柱もしっかりしているので安心感があります。夏でも結構涼しくて、使い勝手がいいですね」

さらに、工場だけではありません。南方貨物線の跡地には、大規模な太陽光発電施設が整備されるなど、一度も列車が走ることのなかった構造物は、時代とともに新たな役割を担い続けています。

2026年7月9日放送

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