三段リーグでは“トップと最下位”…藤井六冠が持つ「竜王」挑戦まであと一歩 同じ愛知出身・柵木幹太五段の快進撃


 将棋の藤井六冠が持つ「竜王」のタイトル挑戦をかけて、大舞台に挑んだ棋士がいます。愛知県西尾市出身・柵木幹太五段です。24日は将棋界大注目の一局となりました。

■三段リーグで藤井さんはトップ、自分は最下位…「さすがにヤバイ」

 24日に行われた竜王戦の挑戦者決定戦。この大勝負に挑んだのが、プロ入り4年目の柵木幹太五段、28歳です。現在の竜王タイトル保持者は藤井六冠、あと1勝で棋士の夢に近づきます。

 柵木さんは西尾市出身。5歳の時に父親から将棋を教わると、地元の大会で腕を磨き、小学6年生でプロ棋士の養成機関・奨励会に入会しました。

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 2016年には、プロの一歩手前にあたる三段に昇段。この時同じ三段だったのが、当時中学2年の藤井さんでした。

 29人で半年間のリーグ戦を戦い、藤井さんはトップの成績で史上最年少でプロ入り。この時、柵木さんは最下位でした。

柵木さん:
「結果は1位と一番下になって、4勝14敗はさすがにやばいなと思いました」

■「ゆくゆくはタイトルとれる棋士に…」25歳でプロ入り

 その後、柵木さんは名古屋大学大学院に進学。中村区にある祖父の家に身を寄せていました。

柵木さん:
「磁気を帯びた材料の研究です。けっこう勉強をするのも好きだったので、好きなことはやったほうがいいかなと」

 しかし、三段リーグではなかなか成績が上がらず、大学院を休学して将棋に専念。苦節8年、実に14度目の三段リーグで、年齢制限による退会も間近の25歳でのプロ入りを果たしました。

 その時語った目標は…。

柵木幹太四段(当時):
「ゆくゆくはタイトルを取れるような棋士になりたいと思っていまして、そうなれるように少しずつもっと強くなっていけたらなと思っています」

■2025年から快進撃でついに挑戦者決定戦へ

 プロ入り後はイベントにも呼ばれ「マセカン」の愛称で人気でしたが、転機が訪れたのは去年1月、女性初のプロ入りがかかった西山朋佳さんの棋士編入試験でした。

 試験官となった柵木さんは対局に勝利し、女性棋士誕生に“待った”をかけました。

柵木幹太四段(当時):
「プレッシャーがかかる対局かなと思ったんですけど、対局がいざ始まってみると、いつも通り指せたかなと」

 この大一番をきっかけに、柵木さんの快進撃が続きます。

 将棋界最高峰の賞金4400万円がかかる竜王戦。予選リーグで下から2番目の5組で優勝すると、強豪たちが集う決勝トーナメントに進出し、タイトル戦常連棋士を次々と撃破。ついに挑戦者決定戦へと昇り詰めました。

■藤井六冠への挑戦権かけ…運命の一局は

 そして迎えた8月24日。相手は今年、棋聖のタイトルの挑戦者となった服部慎一郎七段(27)。3番勝負で1勝1敗、勝った方が挑戦者となります。

 振り駒の結果、わずかに不利とされる後手番に。運命の一局、柵木さんは序盤から積極的に攻め続けます。

 主導権を握っていましたが、夜の最終盤になって、相手の服部七段が粘りの逆転劇を見せて勝利。柵木さんはタイトル挑戦とはなりませんでした。

柵木幹太五段:
「この将棋に関しては、自分の力を全部出して、ただそれでも及ばなかった。すごくたくさんの方に応援していただいてここまで来れたので、とても感謝しています。またこういう舞台に戻って来られるように、頑張りたいと思います」

 ワクワクするような快進撃を将棋ファンに見せてくれた柵木さん。タイトル挑戦の舞台はそう遠くはありません。

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