10円玉も10.54円分の価値に?価格上昇受け狙われる『銅』何度も銅線盗まれた太陽光発電所オーナー「こんなはずじゃ…」


 銅の価格が高騰し、10円玉の価値が“10円以上”に…?銅線ケーブルが狙われる盗難被害も後を絶ちません。

■繰り返し狙われ…金属盗被害 5年間で“5倍”に

 防犯カメラが捉えたのは、フェンス際の2人の人物。大きな警報音が鳴り響き、慌てた様子で逃げ出しました。

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2人が狙っていたとみられるのは、太陽光発電所の銅線ケーブルです。

この発電所とは別の豊橋市内の発電所では、今年7月、ソーラーパネルと電柱をつなぐ銅線ケーブル約10mが何者かに切断され、盗まれる被害がありましたが…。

太陽光発電所オーナーの男性:
「10カ所ぐらい管理しているんですけど、3年間で4回の被害です。銅線の復旧工事代が200万円、売電収入がショートしたので200万円、3年間で計400万円ぐらい」

センサーライトや防犯カメラといった対策を強化しましたが、それらにもコストがかかります。掛け金が上がり、保険をかけることすら二の足を踏んでいるそうです。

太陽光発電所オーナーの男性:
「悔しいというか、こんなはずじゃなかったというか…私らが始めた頃は、こんな話は全く聞かなかったし」

金属盗被害は去年、愛知県内で1135件確認。2020年に比べると5倍ほどに悪化し、今年は件数・総額ともに全国ワーストで推移しています。

今年7月には、豊田市で銅線6700mほどを盗んだとして、ベトナム人3人が逮捕されました。捜査関係者によると、地図アプリの航空写真で狙いを定め、同じ発電所で犯行を重ねていたといいます。

愛知県警地域安全対策室の中川元宏室長:
「銅の買取価格が高いということで、集中的に狙われているのではないかと考えられます」

■価格高騰で“争奪戦” 背景に半導体ブーム

楽天証券経済研究所の吉田哲さん:
「“銅の争奪戦”という表現がよろしいかと思います。端的に言えば、世界全体でAIや半導体のブームが起きていること。AIも半導体もEVも、電気を使う分野になります。今後、銅の需要がどんどん増えていくという思惑から、価格がどんどん上がってきている」

日本では10円玉の素材としても馴染みがあり、“人類が最初に使った金属”といわれる銅。電気とは切り離せない現代の生活を、至る所で支えています。

世界規模で需要が高まる中、国内の基準価格は8月に1トン約235万円と、月平均で過去最高値を更新。スクラップの買取価格の目安にもなり、銅線ケーブルの盗難被害多発につながっていると考えられます。

■10円玉も“10円以上”に?価値を上げ続ける銅

 管内に342カ所の太陽光発電所がある愛知県警半田署は、ほぼ毎日のように、“銅線ドロボウ”の被害相談を受けています。被害を未然に防ぐため、半田市内の発電所に署員が向かいました。

半田署生活安全課の広潤一課長:
「狙われやすいのは、細いケーブルよりは太い部分。集電箱の所から伸びているケーブルが狙われやすい。入ってきた車も撮れるようにつけていただくと、対策としては良いのかなと思います」

被害予防のためにどんな対策をするべきか、アドバイスをしていました。

半田署生活安全課の広潤一課長:
「ケーブル自体が非常に重いので、そもそも車が入れない対策をしていただくことが非常に大きな一手。あわせて、集電箱の近くを防犯カメラなどで対策していただく」

暮らしが便利になる陰で、銅線盗被害が後を絶たない中、政府は6月、買い取る際の取引記録や本人確認を義務付ける法律を施行しました。

価値を上げ続ける、銅の存在。

楽天証券経済研究所の吉田哲さん:
「製造コストなども含めるとまた変わってくるのですが、物質的な価値を1〜7月の月間平均で計算していくと10.54円ということで、初めて10円を超えたんですね。10円を超える価値のある金属の塊に変わったんだと、身近なところで感じることができるのかなと」

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