運営会社に“直訴”…ファミリー中華に惚れ込んだ27歳専業主婦 店での調理経験ゼロから新店舗オーナーとなるまで

三重県で愛されるファミリー中華「あじへい」。この味にほれ込んだ27歳の専業主婦が、岐阜県大垣市に新店舗をオープン。家族の思い出の味を広めようと奮闘する女性の挑戦に迫ります。
■「あじへい」が大好きな27歳の挑戦
1972年に松阪市で創業した「あじへい」。三重県内に15店舗を展開し、県民のソウルフードともいわれるファミリー中華です。
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その厨房で包丁を握るのは、岐阜県大垣市に住む竹中莉子さん(27)。2人の子供を育てる母親でもあります。
竹中さん:
「今も(三重の)実家に帰ってご飯食べるとき、『あじへい』と決まっている。大垣にはないので、自分でやりたいなと思いました」
「あじへい」が好きすぎて、その味をもっと広めたいと思った竹中さん。運営会社に直訴し、飲食店での調理経験ゼロから新店舗のオーナーを目指すことになりました。

竹中さん:
「三重県では『あじへい』ってなったらもう皆さん知っているので」
自他ともに認める大の「あじへい」ファン。今でも三重の実家に帰るたび、父親と一緒に店を訪れます。
5歳の時に母親を亡くした竹中さん。父親が連れて行ってくれた「あじへい」が家庭の味でした。
竹中さん:
「お父さんと晩御飯どうする、あじへいに行こうかって。そればかり」
父:
「お子様系のメニューからだんだん進歩していって1人前のご飯を。成長を感じる」
幼い頃から通い続けてきた、故郷の味。

竹中さん:
「こんなに長く通い続けた店はない。父がずっと一人で頑張ってきたのを見て、自分もそういうふうにという思いがある」
この味を三重以外にも広めたい。結婚後に暮らす大垣でフランチャイズのオーナーになるという夢が膨らんでいきました。
一方、父親には心配もあるようです。
父:
「不安もあります。『あじへい』の味が岐阜の人の口に合うのか」
竹中さん:
「自信はある」
思い立ったら即行動。竹中さんは、「あじへい」の運営会社を訪ね、役員に直談判したのです。
あじへいの運営会社の専務:
「名刺交換したら名刺がないと。何をされているんですかと聞いたら、主婦ですと…。衝撃でした。ただ出したい気持ちが誰よりも強いなと感じました」

熱意は伝わったものの、専業主婦で本格的な中華料理の経験はゼロ。そこで、基本を学ぶため、既存店での修業が始まりました。
■夢をかなえるため厨房での修業は続く
主婦として家庭で日々料理をしてきた竹中さんですが、店で求められる技術は別物です。
竹中さん:
「家だったら食材を切るの適当でいいじゃないですか。でも店では、何ミリで均等にとか、特にチャーシューは切るのが難しいです」

家庭とは違い、店では安定したクオリティが求められます。
竹中さん:
「その日のチャーシューによって違うんです。ボロボロ崩れるチャーシューが苦手です」
中華鍋の扱いにも一苦労。
竹中さん:
「鉄の鍋なので、重たいです。チャーハン3人前は、腕がきついです」

さらに、求められるのは調理の技術だけではありません。ランチタイムのピークになると次から次へと注文が入ります。
竹中さん:
「セットメニューはお盆に同じタイミングで置かないといけないので…。何かが早くてもだめだし、作りすぎてもだめだし、難しいです」
プロの世界の厳しさに直面していました。
その一方で、大垣にオープンさせる新店舗の準備も着々と進んでいました。開業に向けた資金も、自ら調達します。

竹中さん:
「日本政策金融公庫で900万円の融資がおりた。もうひとつ大垣西濃信金で900万円。トータルで1800万円借りることになりました」
すべては、大好きな「あじへい」の味を広めるために。
■大垣店がいよいよオープン
そして迎えた、大垣店オープン当日。
厨房では、チャーシューを均等に切る竹中さんの姿が。1年間の修行で身につけた技術を生かし、いよいよ自分の店の営業が始まります。

竹中さん:
「のれんをつけました。やばい泣きそうなんですけど」
夢が形になった瞬間、思わず感極まる竹中さん。
オープンと同時に、次々とお客さんが訪れ、店内は早くもにぎわいます。
客:
「餃子もパリパリしていて食べやすかったです」
別の客:
「家族全員がファンで、三重まで行って食べるくらい好きです。早速家族に報告しました」

こうして、初日のランチタイムは、ひとまず無事に終了しました。
調理経験ゼロから一歩を踏み出し、行動力と熱意で夢をかなえた竹中さん。
竹中さん:
「『ここにあじへいが来たんだ』っていう言葉が一番うれしいです。ここに根付いて『地域一番店』を目指します」
竹中さんは、大垣の地で、家族の思い出が詰まった味を広めていきます。
2026年10月9日放送

