- 実は久子こそ、鹿島田家を仕切る人物だということが明らかになりました。
- “主”ですよね(笑)。台本の時点で、これからどんなことが起こるのか気になる内容になっていて、私の親友も『次はどうなるの!?』と電話してくるんです(笑)。私自身、久子はおもしろい役だと思いますし、いずれ久子がこの家の中でどんな立ち位置なのか、判明することは最初から伺っていました。ですから、それが明らかになるまでは登場するたび、久子の人間性を小出しにしながら演じていました。
- 今後、未芙由と久子がどんなやりとりを繰り広げるか、楽しみです。
- 未芙由は未芙由で、鹿島田家で自分の居場所を確保するために必死でしょうし、もしかしたら『この家を私のものにしたい』というくらいの気持ちがあるかもしれません。一方で久子もただの“良家の奥様”ではないと思いますので、未芙由のことをどうすれば自分にとって、また鹿島田家にとって最適なのか考えているかもしれませんね。
- そもそも久子は未芙由のことをどのように見ていると思いますか?
- 決して嫌ってはいない気がします。若い娘があんなにも自分の力で生きようとしていて、強い意思を持って乗り込んできた。そこにたくましさを感じていると思います。久子はそういうことが分かる人物だと思います。
- 松原さんは久子を演じる上で、どのようなところを大切にされましたか?
- 昔の、昭和の価値観を持っている女性ですよね。それも“上流階級”の。かつては、久子のような家柄で育った女性の場合、自分と同じようなレベルの生活を送っている人と結婚することが当然で、それが幸せだと疑わなかったと思います。久子は代々、受け継いできたものを自分の核としてここまでやってきて、それを最善の形で次の世代に受け渡すことを使命としているのではないでしょうか。
- 松原さんと久子に共通点などありますか?
- 役は役として捉えているので…。ただ、久子と同年代の女性としては、何より家のことが大切、という考えは理解できます。家系を守りたいっていう思いは、時代がどんなに変化しても、どこのご家庭にもある想いだと思います。家系っていうのは、家族に通じるものですから。
- 物語も終盤に入りました。久子のどんなところを視聴者の皆さんに楽しんでいただきたいですか?
- “未芙由と久子”というのが、確かに物語の鍵を握る部分だと思います。二人の関係性がどう変化し、どんな風に話が進んでいくのか、ぜひご覧ください。久子は人間的大きさに加え、女性としての図太さも持ち合わせています(笑)。未芙由はこれまで周りの人々を懐柔したり、陥れたりしてきました。久子にも何とか取り入るつもりでしょうが、そう簡単にことは進まないでしょう。久子を演じている私から言わせてもらえれば、“お手並み拝見”というところですね(笑)
- 松原さんは“ウツボカズラ女”をどう思われますか?
- 私自身、その時々感じたことや思ったことを大切に生きてきたタイプなので、必死に策をめぐらす、なんてことはできません。ただ、“ウツボカズラ女”のような人を強いと思いますし、たくましいとも思います。未芙由じゃありませんけど、後がないとの思いで必死だからこその行動だとしたら、私は可愛いとすら感じています。
- 久子もそんな風に未芙由を見ていたとしたら、久子こそ、未芙由が鹿島田家に固執するよう仕向けているのかもしれませんね。
- 最初の出会いは偶然です。でもおっしゃる通り、久子は未芙由をこの家に取り込みたいと思っているのかもしれません。もしそうだとしたら、久子は鹿島田家の今後にとって未芙由がいたほうが何かと都合がいい、と考えてのことだと思います。
- 未芙由にとって久子は相当手ごわい相手ですね。
- 志田(未来)さんともそんなことを話したんです。未芙由と久子、どちらが真の勝者になるのか、と。志田さんを見ていると、どんなに強いセリフを言っても、ご本人が持っている清潔感や愛らしさがにじむから、未芙由が嫌悪感を抱かれる人物になっていないと思います。何より志田さんの演技で、未芙由の辛い心情がよく伝わってきます。それを理解した上で、私も最後まで久子らしさを大切にしながら、未芙由と向き合っていくつもりです。



