――いよいよ最終回も迫って参りましたが、撮影を振り返っていかがでしたか?
【羽田美智子さん】 やはり昼ドラの撮影はスケジュールがハードなので、正直、大変なこともありましたが、苦しいことを乗り越えた今となっては、楽しいことしか覚えてないですね(笑)。
ドラマのセリフの中に「奈緒子さんがいるから大変なことが起きるのか、大変なことが起こるところに奈緒子さんがいるのか」っていうセリフがあるんですけど、私自身も「『花嫁のれん』の撮影がハードだから大変なのか、撮影現場が楽し過ぎるから大変なのか」、ちょっとわからなくなる時があるんです。
仕事だけ淡々としてればこんなに疲れることはなかったかもしれないのに、撮影以外のところで騒いだりはしゃいだりして笑い過ぎたから疲れたんじゃないかなって(笑)。そんなことをついつい思ってしまうぐらい本当に楽しい現場でした。
【野際陽子さん】 本当に感無量ですね。途中、体力的にちょっと乗り越えられるか不安な時期もあったんですが、みなさんのおかげで、楽しく撮影することができました。
また、今年は大きな震災があり、心を痛めている方がたくさんいらっしゃる中でのドラマ作りだったので、何かしらの形でメッセージを送りたいという思いがありました。1話の志乃のセリフに「今年は心の痛むことがたくさんございましたけど、お元気でしたか?」っていうセリフを足していただいたんです。
そうしたら、ある新聞の投稿欄に、被災地の視聴者の方が「志乃さんのあのセリフが心に染みました」というメッセージを寄せてくださいまして。その記事を見つけた脚本の小松江里子さんが、「おもてなしの心が届きました」というお手紙を一緒にその新聞を私の元に送ってきてくださったんです。本当にありがたく拝読させていただきました。
――視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。
【羽田さん】 この3ヵ月半、見てくださる方の顔を思い浮かべながら、隅々まで楽しいドラマにしようという思いで突っ走ってきました。最終回に向けては、宗佑さんの隠し子騒動で人生の岐路に立った奈緒子が、一人の女性として、迷いに迷いながらも自分らしい生き方をチョイスしていく様が描かれていくので、そんな奈緒子を最後まで応援していただけたらと思います。
【野際さん】 最終回に向けての見どころは、やはり奈緒子が「花嫁のれん」をくぐれるのかっていうところですよね(笑)。すでに志乃は奈緒子さんのことを神楽家の嫁として認めていますから、あとはもう、奈緒子さんとうちのバカ息子次第…(笑)。2人にどんな着地点が待っているのか、ぜひ楽しみにしていてください。