<番組内容>
 東京・渋谷。モップを滑らせ掃除する…。リビング、寝室、夫の居室…。そして、自宅の中を、ダダーッと案内する…。樹木希林さんは、今年70歳。仕事やプライベートで全国を旅しているが、伊勢神宮には、今まで一度も行ったことがない。「徳がないのでしょう。これまで御縁がありませんでした…」。この番組は、そう語る希林さんの人生初の「お伊勢参りドキュメント」である。

 伊勢神宮は、今年、20年に一度の「式年遷宮」の年である。遷宮は、神宮や伊勢志摩地方だけに留まらず、日本中が関わる巨大な“お祭り”である。
 希林さんは、船参宮などで参宮街道を旅し、ゆかりの人々と触れ合いお白石持行事など祭事にも参加し、伊勢神宮の神域を巡り、神宮とは何かの答えを求めて歩く。また世田谷区一区の広さを持つという神宮林の山に登り、俳句を捻り、女たちが祈る志摩の石神さまを訪ね、

 そして、静岡県伊東市まで足をのばし、神宮と和歌に造詣の深い歌人に会いに行く。戦争と震災と神宮…。89歳の今も未来に何かを伝えようとしている歌人・岡野弘彦さんの話に、希林さんは何を感じるのか…。そして、10月2日夜、淨闇の中で行われた内宮の遷御を宇治橋の外から感じ、そして、明朝、新正宮にいの一番でお参りする。新しい石段を一段一段登り、真新しい檜の部材が香る漂う中、ふーっ。希林さんは、夢とも現実ともつかない気配に包まれる…。神宮への旅の深まりが、人間 樹木希林に感じさせた気配とは何か…。

 旅の終わり、希林さんは、宮城県石巻市の小さなお宮を訪ねます。その地域は、津波で神社も流されました。神宮林の間伐材で再建された真新しい社。その秋祭り。仮設住宅暮らしが続く人たちも集まって、お宮の周りに笑顔が溢れる…。ゆったりと旅した伊勢神宮。そこに、何が感じられるのか。希林さんとお伊勢参り。
どうぞご一緒に。