毎週 土曜日 よる11時40分〜

STORYストーリー

2018年3月24日放送

 日本では、死刑執行命令が下されてから5日以内に死刑が執行される。無論、本人に事前の通告は無く、当日の朝午前9時~9時半ころに呼び出されそのまま刑場へ連れていかれることになる。 それまでおとなしく収監されていた死刑囚でも、いつもと違う廊下の角を曲がった途端取り乱し、刑務官に縋り付き命乞いをする例も珍しくはない。


 柳瀬光三(遠藤憲一)はその時を心待ちにしていた。死刑になることこそが心の償いなのだと30年間の拘置所生活で確信していたのだ。 しかし、実の息子を凄惨な殺人現場に置き去りにし、他人の子と入れ替えたことの罪は、成長した息子と再会した今、はたして死刑で償えるのだろうか。死んだほうが楽だから、真実に苦しむ息子と真正面から向き合う現実から逃げようとしているだけではないのか。


 その置き去りにされた息子、30年間別人として人生を歩んでしまった浅利祐介(滝沢秀明)は、父がこのまま望みどおりに死刑に処されることなど決して認められはしなかった。 生きて、生きて苦しみぬくことが本当の償いなのだ。しかし、一度下された死刑判決はおろか、死刑執行命令などそう簡単に覆せるものではない。所長の澤田陽一郎(片岡鶴太郎)とともに奔走するが時間は過ぎてゆくばかりだ。


 死刑執行命令が下されてから5日目の朝、万策尽き果てた祐介は一人、法律事務所で胸の弁護士バッジを静かに外した。 父・柳瀬の無実を明かし、生きて本当の償いをさせることこそが自分の使命だと感じていた祐介だが。午前9時半、そんな祐介に追い打ちをかけるように事務所の電話が鳴り響いた!

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