2月1日(月)スタート 毎週月~金 ひる1時25分

インタビュー

枝川まき 役 遠藤久美子さん

2016.02.24

今回のまき役は、どのように役作りを?
 目が不自由な女性の役は初めてですので、監督と相談をしたり、カメラのアングルを考えたり、またドラマですのであまりリアルに表現しすぎてもということもあり、模索しながら演じています。まきは、本来は天真爛漫で、スポーツも大好きでいつも日焼けしていたような女の子が、17歳の時に事故で母親と視力を失って、人生が一度真っ暗になってしまった、その悲しみを背負った女性。自立したいけどできないという葛藤もある中で、枝川流の家元として3万人のトップに立つような人物になっていかなければならない。絶望も知り、生きていくということを改めて見つめ直した女性なので、弱さと強さを併せ持った人だと思います。そして里子さんと出会ったことによって、一人の女性として母親として前向きに強さを得ていくように演じていきたいと思っています。
里子もそうですが、剛太郎とすみれとの出会いも、まきにとって大きかったですよね。それだけに、もし真実が明らかになったら、まきがどうなるのか心配で…
 ものすごい衝撃を受けるでしょうね。まきには、お父様のこともありますし。でも、里子さんの方が、ショックが大きいのではないでしょうか。里子さん夫婦は、恋愛結婚でラブラブでしたからね。まきと剛太郎さんは、里子さん夫婦とは違った愛の形で、静かに支え合う温かい愛を表現したいと思っています。まきと剛太郎さんは、紹介が縁で結婚しましたが、結婚によってまきの人生は大きく変わり、守るべきものができて、母親としての強さも持てるようになりました。

 私は子供を持ったことがないのですが、まきを演じていて、自分はどんなに傷ついてもいいから、子供には傷ついて欲しくないという気持ちを感じたんです。春子ちゃんは天真爛漫でかわいいし、すみれはまきを支えてくれていて。この子たちを、悲しい目には合わせたくないですね。
茶道のシーンは、先生に指導を受けていらっしゃいますが、やってみていかがですか?
 私が経験者ではないことに加えて、まきは目で見るのではなく音で所作を行っていくので難しいですね。食事のシーンも大変で、まきは目が見えなくなってから18年という時が流れているのでキレイに食べられるのですが、遠藤久美子が慣れていないので、ポロポロこぼしてしまって(笑)

里子役の佐藤江梨子さんの印象は?
 筋の通ったかっこいい女性ですね。年齢的には私の方が上なんですけど、何でも受け止めてくださるので頼ってしまっています。まきと里子さんの関係のように、全てを委ねちゃってますね。
剛太郎役の宅間孝行さんは?
 どっしりされているので宅間さんにも、頼っちゃってます。演出家もされていますので、着眼点が鋭くて(笑) 例えば、剛太郎さんの写真を見てつぶやくシーンでは「写真見えないよね?」と。そうやって、すごく突っ込んでくるんですよ(笑) でも、そういう疑問というものは流してはいけなくて、ひとつひとつ解決していかなければ視聴者の方にも疑問を残してしまい申し訳ないので。ちなみに、写真はフォトフレームの形で分かるんです(笑)
遠藤さんは『安宅家の人々』でも昼ドラの過酷さをご存じですが、このハードな撮影を乗り切る方法は?
 今回も前回も過酷な撮影でありながら、すごく和やかな現場なんですよ。それに私たち俳優は撮影の間だけですが、スタッフの方たちは撮影中以外にも動いていらっしゃいますから。そういうスタッフの方々を目の当たりにすると、こっちもへこたれていられない。自分以上に頑張っている人を見ると、頑張れます。
『安宅家の人々』の時に、風邪をひいて休まれたスタッフの方がいて。そうすると家族みたいに心配になるんですよ。そのくらい、いいチームだなと思います。

では、最後に本作の見どころを。
 今回、里子さんの苗字が“遠藤”なので、遠藤である私が「遠藤さん」と呼んでいるなどなど、視聴者の方にツッコまれそうなところも多々ありますが(笑)、そこも含め楽しんでいただければ。
 人間愛、家族愛、血縁関係のない愛…いろんな愛がたくさん溢れていて、その愛の深さゆえに歯車がくるっていく、そこが見どころだと思います。登場人物たちは、例えどんなことをしたとしても、自分の行いをしっかりと受け止めることのできる人たちだと思うので、どんな選択をし、どういう結末を迎えるのかを見ていただきたいですね。まきとしても、自分が幸せになりたいというより、みんなが幸せになってもらいたいという気持ちです。