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インタビュー

石原壮一 役 柄本明さん

2016.03.30

柄本さんは昼ドラ初出演。主演の佐藤江梨子さんとは親交もあったそうですね。
 そうですね。彼女はうちのカミさんなんかも知ってて、家にも来たことあって。いい意味で変な子だし、頭のいい方ですね。僕は感性とか個性とか、そういう言葉は大嫌いなんだけど、ちょっとそういうところが変わってるんじゃないかなと。逆に言えば普通なんだよね。人間なんて、それぞれが一緒なわけがないんだから、そういう意味ではまともなんじゃないかなと思いますね。

普通であることは役者にとって重要な要素ですか?
 役者だって何も変わりゃしないもの。役者とスタッフと、何の変わりがあるものですか。人間なんだから。たまたまそういう職業をやってるっていうことで。
柄本さんは、ご自身の出演ドラマはもちろん、撮影中のモニターも見ないとお聞きしました。
 嫌だね、自分の姿を見るのは、おぞましいね。(台本に)書いてあることを言うんですよ。書いてあることって、言えないよ。だって、人の書いたものだもん。そういう意味で、実は芝居っていうのは不自然なことをやってるんですね。でもそれを自然にやるという。そうするとその問題は、じゃあ自然とは何か、不自然とは何かと、哲学的な命題を帯びていくわけです。どんな仕事でもそうだけど、そういうことを考えていくことになっちゃうんじゃないかな。
近年、日本は、映画や舞台は元気ですが、ドラマはちょっと元気がないように感じますが…
 そうだと思うよね。一方、海外のテレビドラマなんか見てると、よく出来てるように思う。ちょっと情けないなぁと思いますね。自分がやっぱり大事だと思うのは、脚本にもっともっと力を注ぐってことじゃないかな。大昔の話だけど、テレビっていうものが日本に来る時に、大宅壮一さんっていう評論家の先生が「これで日本は総白痴になる」って言ったけど、至言だったなと思いますよね。

今回、いろんな親子の愛が描かれています。柄本さんの息子さんは、ご両親と同じ役者の道を選ばれましたが、父親としてはうれしいことですか?
 しょうがないよね。もちろん自分が分かってる仕事だからね、それはね。でも、たまたまですよ。たまたまマネージャーさんがオーディション出しちゃったら、なんかそんなことになっちゃって…ということだったんですよ。
柄本家の教育方針や、父親としての愛情の示し方は?
 みんな映画ファンですね。うちの親父とおふくろが映画の話しかしないような人だったから、俺も映画を観るのが好きになって。だから、うちのガキどもも映画を観るのが好きですね。特にお兄ちゃん(柄本佑)はそうなんだけど。中学生の時に『美しい夏キリシマ』という映画に出たんだけど。ちょっと反抗期になりかけてたのが、映画の現場に2ヶ月いたら、すっかりいい子になって帰ってきたね。縦社会だから、中学2年生くらいの子が、原田芳雄さんたちの中でもまれてきたわけだから。その頃、学校が面白くなくなったって言ってたけど、映画の現場が、大変だったろうけど楽しくなっちゃって。今もそうだろうけど、それが続くなんてことは分からないね。どんな仕事でもそうだけど。