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土井の天敵、吉沢と三上に聞いてみました(2)

2016.09.19

 こんにちは、HPライターのTです。

 昨日に続き、坂本充広さんと増田修一朗さんの対談をお送りします。

――坂本さんから、土井の部長としての資質というかなり突っ込んだ発言がありましたが。増田(以下、増)「吉沢さんより一つ下の世代の三上は、土井さんに甘えて言いたいことを言ってる部分があると思いますね。頼れる、というより良い意味でも悪い意味でも甘えられる上司なんだ、と」
坂本(以下、坂)「吉沢たちのいる部署ってみんなマイペースなのかな(笑)。梨々花や野村を見ていると、同性同士とはいえ、上司に対して遠慮があまりにないでしょ」
増「みんな、ポンポン言いますから(笑)。みんな、土井さんにストレスをぶつけ過ぎですよ」

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――ネガティブなことを聞き過ぎてしまったので、この辺りで話題を変えます(笑)。撮影現場の様子を聞かせてください。
増「僕や坂本さんが演じている役割りって、周りの方がしっかり受けてくれないと活きてこないパートなんです。今回は(鈴木)保奈美さんが僕たちの演技をサポートしてくださっています」
坂「保奈美さんに自由に泳がせてもらっています。ちょっとやりたい放題かも、と思うときもありますけど(笑)。それと佐藤祐市監督が本当に元気で明るい。そのおかげで、陰湿になりそうな職場の場面も、笑いが絶えないです」
増「キャストもそうですし、スタッフさんもそうですし、みんなの距離が近いのかもしれません。リハーサルに1日かけることもあるので、現場入って"ハイ、本番!"ではないので、みんなが常に"温まった状態"でいられるんです。だから僕もすぐテンションを上げて『土井さん!』って出来ます」
坂「台本を読んで、吉沢は三上や小中とトリオじゃないですけど、この3人の関係を密にしたほうがいいと思ったんです。だから増田くんにも濵田(崇裕)くんにも常にベタベタしています」
坂・増 (笑)。

――作品の感想は?
坂「表面だけ見ると、良い者VS悪い者なんですけど、そうじゃない」

――インタビューをすると、皆さんそうおっしゃいます。
坂「立場が違う者同士が集まっているだけのことなので。もう少し発言に配慮すればここまで大事にならないと思います。何度も言いますけど、要は言い方(笑)」
増「僕はこの作品がいろいろなことに挑戦しているのがいいなと思っています。ノンママやワーママを始め、いまの社会の問題、職場の問題を盛り込みつつ、それを会社でなく、バーでの女性たちの会話劇で見せるってかなり新鮮ですよね。会話のテンポも良く、笑える部分もあるから、ディープな問題を扱いつつも、重くなり過ぎないのもいいですし。特に土井さんと同世代の女性の方にとって興味深い話だと思いますが、男性が見てもいろいろ得るものがある作品になっていますよね」
坂「ノンママとかワーママとか、言葉のチョイスが上手。耳に残りますよね。『こういうことで女性は悩んでいるんだ』ということが男性にも広く知られればいいな、と思っています。きっとこのドラマの中に、それぞれの問題の解決の糸口があると思うんです。ドラマを見てくれた皆さんが、立場が違うとこんな苦しみがある、ということを理解して、世の中が優しくなってくれたらうれしいですね」

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――お二人は今後、女性にさらに優しくなれそうですか?
坂「しまった。余計なことを言ったかも(笑)。はい、優しくなりたいと思います」
増「そこはあえて意識せず自然体で(笑)」

――改めてご自身が演じている役についての印象も聞かせてください。
坂「セリフがある意味、"ビビッド"ですよね。役としては印象的なセリフをたくさんいただけて、ありがたいです。反面、そういった言葉だけが独り歩きしてしまう危険性があるので、そのさじ加減が難しいですね」
増「セリフがセリフだけに、一回振り切って演じることが必要かな、と思っています。役のことを考えると、三上を良く見せたくなってしまうんです。でも今回は、そういう考えは余計かな、と。いらないものをどんどんそぎ落として、『ノンママ白書』という作品の中で三上が伝えるべきことが届くよう心掛けています」

――お二人とも吉沢にも三上にも正義があるとおっしゃっていただけに、役への共感は?
増「ありますよ。どこか一つでも理解できる部分がないとその役を演じられませんから」
坂「正直言いますね。話が進むにつれ、吉沢のほうが正論じゃないかと...」
増「お、言った! そうそう、それは僕もあります。暴言だけど正論」

――結論は言い方なんですね。
増「このドラマで描いていることって単純じゃないんですよ。土井さんの視点で見れば、部下たちはひどいかもしれないけれど、どのキャラクターも自分の立場なりに正しいことを言ってぶつかり合っているだけなんです」
坂「土井さんを始め、みんな信念を持っている。いろんな立場の人が、いろんな角度から見ることのできる作品なので、共感する部分もいろいろあると思います。吉沢や三上の言っていることが正しいと思ったとしても、それは決して悪いことじゃないと僕は思います。彼らの暴言を聞いて感じるものあったら、実際に伝えるときどう言えばいいのか考えればいいだけのことで」
増「正直、今の時代って息苦しくありませんか?『これは言っちゃいけない』みたいなものが多くて。何をしたら無礼なのか、失礼なのか気にすることは必要ですけど、思ったこと、感じたいことを言える世の中のほうが絶対にいい。三上を演じて、それは感じましたね」
坂「吉沢と三上は全編"本音トーク"だったね」
増「この枠って"オトナの土ドラ"ってついていますね。今回はそこに"ホンネの土ドラ"って言葉も付けて良かったんじゃないですか」

 作品の内容同様、坂本さんと増田さんに話を聞いていると深い意見がどんどん飛び出しました。

 ドラマもいよいよ終盤。まだまだ土井は多くのことで悩みます。もちろん、それは部下たちのことを含めて。波乱続きの土井の人生模様に最後まで付き合いください。