毎週土曜よる11時40分

STORYあらすじ

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83日放送

「何が原因なんだ…」
物は飛び散り荒れ放題のリビングの惨状を前に、志方恭一郎(遠藤憲一)は、妻・雪子(田中美佐子)に呆然と問いかけた――。

コンピュータ会社の企画開発部長である志方の中学2年生の息子・恭介(渡邉蒼)が不登校になったのは、ほんの1ヵ月前のことだった。それまでは素直でおとなしかった恭介が、別人のようにキレて暴力をふるうようになったのだ。志方夫妻も、長女の真弓(仁村紗和)、次女の真紀(永瀬莉子)も、訳が分からず途方に暮れるばかりだった。

「息子さんも悩んでいるんですよ」得意先の葵電気の担当者・丹野(梨本謙次郎)の言葉は、苦しむ志方の心を少し楽にしてくれた。丹野が社内の反対を押し切って調整に尽力してくれたおかげで、葵電気とは大きな契約が成立したばかりだった。自身も子供の家庭内暴力に悩んだ経験がある丹野は、志方のよき相談相手でもあった。自分の弱みを見せることで子供を理解できるかもしれない、という丹野の言葉で、志方は恭介と本音で向き合う決意をする。
志方は会社からの帰宅途中、恭介が別の少年ともみ合う場面に出会う。八巻満(清水大登)と名乗るその少年は、礼儀正しく挨拶して立ち去った。シングルマザー八巻はつみ(田中美里)の一人息子である満は恭介の親友だという。怪訝に思いながらも志方は、「恭介、鯛焼き食わないか?」と声をかける。
恭介と車で海へ向かった志方は、海岸で鯛焼きを頬張りながら、自分の過去の恥部を語る。自分のことは話そうとしない恭介だったが、素直に志方の言葉に耳を傾け、「…生きていくのは辛いね…」とつぶやく。久しぶりに息子と心が通い合ったような気がしてほっとする志方だった。

翌日、志方を衝撃が襲う。会社の上層部が、強引に葵電気との契約を破棄したのだ。猛然と上司に抗議する志方だったが、もはや決定事項であり覆せないところまで話は進んでいた。丹野を裏切ってしまった…志方は謝罪に向かうが、窮地に立つ丹野はそれを受け入れる余裕もない状態だった。
落ち込む志方はその夜、深酒したあげく部下に連れられていかがわしいデートクラブに行く。そのことが、後に自分自身を追いつめることになるとは夢にも思わず…。
酩酊して帰宅した志方に、雪子(田中美佐子)が思いつめた顔で告げる。「恭介がまだ帰らないのよ」一気に酔いが覚める志方だったが、まだ事態を深刻にとらえてはいなかった。まもなく警察から、信じがたい知らせがもたらされる。
「え…恭介が…?」
志方の、悪夢の日々の始まりであった――。

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