インタビュー

広澤 草さん(白山 香役)

今回は撮影で着物姿のことも多いと思います。いかがですか?
 「着物は仕事で何度か着たことがある程度で、プライベートではなかったんです。それがほとんど1日中ですから。最初は大変なことになると思いましたが、この現場で長い間着ているので、さすがに慣れました」
あまり馴染みがないと、最初はご苦労もあったのでは?
 「それはもう。1日着ていると洋服を着ているときとは違う筋肉を使っているせいか、いつもは痛まないようなところに凝りを感じました。でも、平気になるんですよ。すごいですよね(笑)。今回は仲居として働く場面も多く、着物姿というのは大変助かりました。役に入りやすいし、それ以外にもお盆だとか、真ん中から分けて押さえた髪型だとかいろんなものが私を香に近づけてくれたんです」

この第4弾から参加しての感想は?
 「それだけ続いているということは、それだけ人気があるということ。そういう作品への参加は誰だって緊張すると思います。でも羽田さんや野際さんを始め、この作品に携わってきた皆さんに、今回から加わったメンバーを包み込むような温かさがあったんです。連ドラにゲストとして1話だけ出演することもありますが、その場に馴染むのにどうしたって時間がかかります。私自身、やや人見知りなところがあるんです。話しかけていただければすぐ打ち解けられるので、最初から"ウェルカムな雰囲気"に満ちあふれていた『花嫁のれん』の現場は本当にありがたかったです。それに今回から参加するのが私だけでなく、矢田さんなど同世代のメンバーがいてくれたことも心強かったです」
ここまで香をどう演じてきましたか?
 「最初に元キャビンアテンダントでしっかり者というざっくりとした設定があったので、女将塾の4人のメンバーが揃う場面では、一番頼もしく見えるよう心掛けました。セリフも少し強く言うことを意識して」

香を演じる上での苦労は?
 「キャラクターって周りの人と演じていく中で構築されていくもので、苦労ではありませんが、女将塾のメンバーとのやりとりで香という人物が完成していったと思います。最初に『金沢女将塾』の面接の場面がありましたが、撮影は『かぐらや』で塾生として仲居の仕事をする場面をいくつか撮ってからだったんです。実際に撮ると、『このタイミングで最初の登場シーンの撮影ができて良かった』と思いました。というのも、台本を読んだだけであの場面を撮っていたら、きっと薄っぺらい演技しかできなかった気がして。仲居としてどんな風に香が働いているのか、香のこれまでの人生や考え...。いろんなことを体感して、自分なりの香像というものが描けてから最初の場面を撮ることで、多少なりともこの役に "厚み"を加えられたんじゃないか、と思っています。そういえば苦労がありました! 香は英語が堪能じゃないですか。そこは...。外国人のお客様とのやりとりのシーンで、お客様役の俳優さんが英語でアドリブを言ってきたんです。涼しい顔で聞いていましたが、内心ドキドキしていました(笑)」

香はとても優秀ですが、いつまでも子離れできない母親との関係で悩んでもいました。
 「ベースとして母親への愛情が強いから香も悩んでいたんですよね。私は母とのやりとりで、香がしっかりしてクールなだけでなく、人を思いやれる面が出せたので良かったと思います。実際、私も母親のことは大切で、もちろん私の母は"モンスターペアレンツ"ではないですよ(笑)。でも香の母親への愛情は私にもあるものだったので、共感もしました」
終盤に向けての香の見どころは?
 「女将を目指しいろいろな経験する中、香も変わってきています。香の変化を出しつつ、今後も塾生をまとめるポジションを務められれば。これから塾生4人の結束はどんどん強くなります。演じていても、『こんな風に女子が集まれば、どんな困難も乗り越えなれるだろうな』って思うし、香たちの関係って素敵ですよね」
女将塾のメンバーは全員が"アラサー"です。香たちのように、ある程度いろんな経験をしてきて、さらに違う道に進もうとすることは、同世代の女性としてどう思いますか?
 「私にも重なる部分がありますね。というのも、30歳を過ぎてから、留学したことがあるんです。人は何歳になっても、何にでも挑戦できるということだと思います。それに女性は強いんですよ。女将だって女の将って書くぐらいですから(笑)」

香は女将になれるでしょうか? また広澤さん自身も女将業に興味はありますか?
 「長くCAとして活躍してきた香には、女将になる素質が十分に備わっていると思います。私も接客業に興味があり、アルバイトで人と接するような仕事を選んだこともあったし、以前から仲居という仕事にも興味がありました。今回こうして役で挑戦することができて、とても貴重な体験になりましたね」
ところで女将塾のメンバーの中で、広澤さんは誰に一番親近感を抱きますか?
 「私は意外にどんくさいところがあるので、そこは真知子さん寄りかな。でも彼女よりは要領がいいんじゃないか、と(笑)。でも香ほど何でもスマートにはこなせません。だから私自身はこの4人だったら、真知子さんと香を足して2で割った感じが近いと思います」

過去の記事一覧

  • 中西 良太さん(増岡 均役)
  • 川村 ゆきえさん(石野 佑美役)
  • 原田 佳奈さん(宮崎 綾役)
  • 広澤 草さん(白山 香役)
  • 沢田 雅美さん(小島 房子役)
  • 野際 陽子さん(神楽 志乃役)
  • 矢田 亜希子さん(片瀬 真知子役)
  • 羽田 美智子さん(神楽 奈緒子役)

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