- この作品の感想を教えてください。
- 原作を読み、葉子という主人公が持つ悪魔的なものを誰が裁けるのかと、非常に興味深いテーマだと思いました。自分自身で裁くのか、それとも神が裁くのか、それとも誰にも裁けないのか!? など、自問自答する葉子の悲痛な叫びのようなものが奥深く書かれてあったのでこのような題材をよくぞドラマで取り上げてくれたと感心しました。
- そのような娘を持った父・大河内徳広を演じた心境は?
- 葉子のDNAは自分(徳広)なわけですからね。この悪魔的な要素は自分が作ったのか、それとも人間の原罪として持っているものなのか、ということでの父親の恐怖と葛藤みたいなものを、とてもおもしろく演じられたと思います。
- 田中麗奈さんの印象は?

- ただただ美しい女優さんだと思いましたし、この役をどうおやりになるのかなという興味も強く感じていました。葉子として黙っていらっしゃるときに、美しさゆえの冷たさや、怖さも感じました。田中麗奈さんがこの役にチャレンジされたのは、とても意味のあることだったのではと思いました。
- 女性像として、葉子をどう思いますか?
- ひとことで言えばやっぱり恐怖でしかないですよ。それはこのドラマのテーマでもある、その人が持っている精神の中で悪の部分があるのだろうと思います。ただそれは精神的な病気かもしれないですし、でも、現実にはそういう人がいるかもしれないという恐怖です。
- 演じられて印象に残ったシーンや、徳広の気持ちで重要にしていたシーンなどを教えてください。
- 葉子との最後の対決をするシーンですね。父親としての悲しみや、それでも娘をどこかで許してあげたいという気持ちや、娘に殺人を犯させたくないみたいな気持ちもありました。
- 徳広が最後に残したあの言葉が、のちに葉子の心に響いてきますね。

- あの台詞をどう演じようかというのは、本当にいろいろと考えました。笑顔で台詞を言うべきなのか、そのとき葉子はどう理解するのだろうか? などなど、考えながら…。演じていながらも言葉の重みを感じていました。僕の撮影は終わりましたが、あれでよかったのか、正しかったのかと思う気持ちは今でもあります。
- 村井さんのような方でもそう思われるのですか?
- もちろん。満足するということはないです。これだけいろいろな役を演じさせてもらっても表現の方法はいろいろあるので、「これでよかったのか?」と、そんなことばかりです。でも、俳優とはそういう職業だと思います。
- 素晴らしい経歴を重ね、お仕事を続けているパワー、モチベーションを教えてください。
- 自分の欲望です。チャールズ・チャップリンの名言ではないですが、自分の代表作があれば、ネクスト・ワンみたいに思います。演じたものは過去の一本(一作品)として、次の一本を頑張ろうと思います。僕は舞台で何百回と同じ役を演じることも多いのですが、一度たりとも飽きたことがない。常に満足はできないですし、次もチャレンジしようと思って演じています。そういう気持ちがモチベーションになっているかもしれないです。
- 視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
- 土曜日の遅い時間でテーマ的にも時間的にも夜更かしができますし、大人の方に楽しみに見て頂けたら嬉しいと思います。



