毎週土曜より11時40分

インタビュー

芳賀明善役 篠原篤さん

原作を読まれた感想を教えてください。
 とてもおもしろかったです。テーマが普遍的で脚本では刺激がより増している気がして、楽しみに読んでいます。もしかしたら悪魔というのは悪魔という概念を持っていない人のことを言うのではとも思いました。本当の悪魔というのは何なのか、誰が本当の悪魔か?ということですよね。
芳賀という人物をどう捉えて演じようと思いましたか?
 悪魔的だと意識していない芳賀を演じるのは難しいですが、とてもやりがいがあります。最初に芳賀を演じる際に、監督から「人との距離感が欲しい」と言われたんです。彼はなんかテンションがおかしいですし、心がこもってないような気がする。でもなぜかとても情熱的な人物に思えました。そんな少し不思議な芳賀の情熱をずっと考えながら演じています。
撮影でのエピソードを教えてください。
 田中麗奈さんと中村蒼さんとは同じ福岡出身なんです。麗奈さんは僕が子供の頃から活躍している方なので、正直、撮影に入る前まで緊張しましたが、とてもにこやかに接してくださって、それだけでとても気持ちが軽くなりました。蒼くんは独特の感性と雰囲気がある方のような気がして。たぶん難波と芳賀という関係性を意識したコミュニケーションをお互い取っていたと思いますが、撮影もかなり進んだある日、突然僕の顔を見て「篠原さん、体重何キロあるんですか?」って言われて、そのときの彼の目はキラキラしていましたね(笑)。またある日僕が、「蒼くんってやっぱり九州の顔だよね」と言うと、僕の顔をまじまじ見て「篠原さんに言われたくない」って(笑)。僕は蒼くんとの会話をとても楽しみにしています。
印象に残っているシーンを教えてください。
 初めて葉子と話したシーンです。芳賀の今後にとっても重要なポイントだと思いましたし、いかに芳賀が葉子に憧れているのかを表現できれば、視聴者の方にもこいつはただの変なヤツではなく、純粋に愛情を持って葉子に会いに行ったということをわかってもらえると思っていました。なので、彼女と思いを共有できるのは僕だけなんだという強い信念を持って演じました。撮影終わりに監督から、「めちゃめちゃ気持ち悪かったですよー」と言われまして、気持ち悪いという言葉を褒め言葉として捕らえ、成功したのかなと思いました(笑)。
自分のこういうところが、悪魔チックだと思えることはありますか?
 カロリーが高い料理にひと手間加えて食べるのが大好きなんです。例えばカレーを作って一晩寝かして、ドライカレーにするのも大好きです。ひき肉、ニンニク、唐辛子を炒めて、スクランブルエッグを多めに作ってカレーと混ぜて、上にチーズを乗せて焦げ目をつけて…(笑)。僕は料理を作るのが好きで、カロリーの高いものにさらにカロリーを加えて美味しく食べるという悪魔的料理のレパートリーは多いですね。ただ、少し前は蒼くんと一緒ぐらいのスリムな体型でしたが、おかげで今はこのような体型に。でもその分、1時間歩いて新宿の映画館まで行くなど、カロリー消費は一応頑張っているつもりなんですよ(苦笑)。
ドラマの今後のみどころを教えてください。
 ドラマのテーマでもある悪魔的行為は、度合いはあれども誰にでもあると思います。でもそれは一生秘密にしていたり、人に話せるレベルのことでも自分的には時効になっていなかったり…。でも、このドラマを見て視聴者の方が自分の悪魔的ポイントを思い出してもらえたらと思うんです。普段は蓋をしていることでも、思い出す行為をしたことにより、少し大げさかもしれないですが自分の身の丈を知れると思うんです。そうすることによって自分を認めて、自然と人に優しくなれるんじゃないかなとか。葉子の周りの人たちも悪の所業によって自分が浄化されたのではないかと思っていて、これから先、正しさしか残ってないと信じています。
 芳賀は話数が進むにつれ、どんどん嫌われ役になっていると思います。ただ、「こいつにも一理あったんじゃないかな」と思ってくださる視聴者の方がいれば嬉しいです。芳賀に関して何か感想を持ってくれた人がいたのなら、微力ですが、少しは僕もドラマの一員として役に立ったのかなと思います。

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