インタビュー

九十九恭子 役 本仮屋ユイカ さん

10月19日 公開

台本を読んだ感想をお願いします。

 「これが今の日本なのか?」と、とても驚いた内容も多く、衝撃的なエピソードもありました。そして今回、社会派ドラマというものを真っ向から手がける作品に携われることは光栄です。

衝撃的だと思ったエピソードを具体的に教えてください。

 親が子供を洗濯機に入れるという行為がありましたが、子供をそんな危険な目にあわせる親がいることが信じられないです。でもこれだけ日本が行き詰まっているんだ、そういう所まで来ているという感じを受けました。誰かに「助けて」と言える余裕がないという今の日本は、こんなに息苦しいのだと思いました。

九十九恭子役について、演じてあらためて感じたことはありますか?

 台本を読んでいると、恭子は「許せない」というフレーズをたくさん言っていて、登場するときはいつも怒っていますし、人間の許せないという感情の部分を担当している役なんだと思ったんです。でも、許せないという感情はもちろん私にもありますが、そんなに根深く熱く思い続けることはできないと思うんです。なので、それだけ長くエネルギーを注げる恭子は逆に愛情深いのだなと感じました。母親に対して、認められたかったし、愛されたかった気持ちの部分がずっともやもやしている恭子ですが、私が恭子の立場なら、もっと疎遠になる可能性もありえるほどのわだかまりがあったと思うんです。一生逢わないという選択もあった中、彼女は家に来て母親と会話をするんです。このことから愛情深く、そしてタフで粘り強い人だという印象です。

真矢さんと共演しての印象をお願いします。

 真矢さんはいつでも自分の心の扉を開けていられる懐の深い方だと思います。人間だからいろんなコンディションがあると思いますが、それを感じさせない、いつでもニュートラルで、オープンでいられるというのはすごいと思っています。私が言うのもおこがましいですが、さくらさんにピッタリな方だと思います。

真矢さん演じるさくらと恭子の親子関係が今後どうなっていくのか楽しみです。

 たった2人の家族だから反発して嫌だなと思っている一面もありますが、母親に絶大なる信頼と絆もあると思います。女性同士ですし、その絆は深くて太いと私は信じて演じているんです。母娘の関係性が今後どうなっていくかというのが私も本当に楽しみで、その時々で感じるものを大切にしながら、ひとつひとつのシーンを成立していこうと思います。

思い出に残っている、心がほっこりする料理等を教えてください。

 私、餃子が好きなんです。一人暮らしなので時間がある時だけ作りますが、でもあまり家ではやらなくなってきたんですね。そんな中、沖縄に住むいとこの家に行くと、小学校一年生のいとこが、「ユイちゃんと言えば餃子だから、餃子一緒に作ろう」って、誘ってくれます。私にとっては、沖縄という場所で優しい親戚に囲まれて、自分に帰れる場所であり、いとこと一緒に作る餃子がパワーフードです。

パワーフードの話が出たところで、本仮屋さんの美の秘訣、可愛らしく居続けている努力みたいなものがありましたら聞かせてください。

 「機嫌よくいられるようにする」です。芸能界には綺麗で可愛らしい方がたくさんいますが、不機嫌だとどんなに綺麗で可愛い方でも魅力は半減してしまうと思います。私は体が元気だと機嫌がいいような気がします。なので、毎晩ストレッチは欠かさないようにしています。また、自分のパフォーマンスが最大限よくできたなと思うと機嫌よくいられるので、そのためにたくさん練習をするなど、機嫌よくいられるベース作りはしています。

最後に、視聴者の方にメッセージをお願いします。

 観終わった後に、人と人が繋がるっていいな、真っ当に生きられるのは幸せだな等、そういう温かさを感じるドラマだと思います。ただ、そこにたどり着くまでには壮絶なエピソードがたくさんあり、観た方は考えさせられる部分も多いのではと思います。さくらさんが行っていることがより自然に視聴者の方に受け入れられるように、恭子という存在があると思っていて、自分のホームという場所を考えることができるドラマになればとても嬉しいです。