
“中国で一番有名な日本人”矢野浩二さん
玉置玄役で新境地
主人公・さくら(真矢ミキ)が営む、古本屋・九十九堂のたまりばにたむろする若者たちに、「玄さん」と呼ばれ親しまれている、コミュニケーションは苦手だが、絵が上手な男・玉置玄を好演しているのが矢野浩二さん!2001年に中国ドラマに出演後、中国を拠点として数多くの映像作品等に出演。“中国で一番有名な日本人”として絶大な知名度を持ち、中国版ツイッターのフォロワー数はなんと151万人。今では矢野さんが出演する日本のドラマを、中国の人々が注目するという現象も起きています。

この前もコンビニで、「えっ!! 浩二、何してるの?」って、中国の方に(笑)
そんな状況を、「16年間、中国でやってきたというのもありますが、とてもありがたいことです」と恐縮する矢野さん。また、「僕が出演したドラマやバラエティー番組を見てくれていた子供たちも今は社会人になっている年頃で、「あの頃の浩二さんを見て大人になりました!!」と、街で声をかけてくれる子たちがとても多いんです。そして近年は日本に中国の方がたくさんいらっしゃるので、中国にいた頃の感覚とあまり変わらないような場面に遭遇することもあります。この前も普通にコンビニに行って買い物をしていたら、今の店員さんは中国の方が多いので、「えっ!! 浩二、何してんの?」って、驚いて声をかけてくださったんです。なので、「今仕事終わって、帰る途中なんや」と僕も世間話を中国語で話して、隣にいる日本人の店長さんが僕らを不思議な顔で見てる。そういう境遇がとても楽しいんですよ」と笑顔。
矢野浩二さんの起用理由について、プロデューサーの東海テレビ・遠山圭介は、「中国で実績を残された矢野さんは、個性的で印象に残るお芝居をされるイメージを持っていました。今回演じていただいている玉置玄は、たまりばに集う個性豊かなメンバーの中でも特に強い個性を放つ存在で、矢野さんの個性を存分に発揮していただきたいと思い起用しました。コミュニケーションが苦手ですが、穏やかな雰囲気と放つセリフの強さは、ドラマのいいアクセントになっています」とコメント。

さくらのセリフで“うるうる”。感極まってしまうことも……
矢野さんが中国の若者に爆発的な人気があるのは、俳優のかたわら超人気バラエティー番組のMCをしていたというのも理由のひとつで、撮影現場ではその持ち前の話術でキャスト、スタッフを明るく盛り上げています。ただ、その彼が演じている玉置玄は普段の矢野さんとは一転、言葉少なに、時々メッセージ性のあるセリフを話すのみ。たまりばの中で、存在感だけでひと際個性を放つという難役です。
「こういった役は初めてで、言葉を発さずに特徴を出す部分が難しいと思います。玄さんはドラマにおいて、ある意味、確実にヒットを打たなくてはいけない重要なピンチヒッター的役柄だと思っています」と話し、また、「現場で真矢さんのお芝居を見て、ひと言、ひと言のセリフを聞くと、感極まってうるうるしちゃうんです。でも、玄さんは感情をあまり表に出さない人なので、その気持ちを断ち切っている。そういう部分は非常にやりづらい部分はありますね(笑)」と冗談っぽく話してくれました。さらに真矢さんの印象については、「皆さんに対して公平に温かく見守っていただいているとても素敵な存在の方です。真矢さんとは2度目の共演ですが、僕みたいな人間にもとても気さくに話しかけていただいています」と、真矢さんを軸に、現場の雰囲気の良さが垣間見えました。
中国での原動力と思い出の味、“イカ納豆”
物語に登場する“さくらの親子丼”のように、気持ちが温かくなった思い出の食べ物を聞いてみると、「北京の日本食のお店で食べていた“イカ納豆”」との答えが!「当時、仕事もなく、友だちもいなかった僕を精神的に支えてくれた中国人の料理長がいて、一週間に一度、この“イカ納豆”を食べるために頑張っていた。そんな僕の原動力であり、思い出の味なんです」と懐かしそうに話す矢野さん。ちなみに無類のイカ好きでもあるそうです。

最後に矢野さんはドラマの見どころについて、「周りの友だちにドラマを見た感想を聞くと、感動したという人もいたり、辛い気持ちにもなったという人もいて…。でも、最終的にはホッとさせられる温かい、最近の日本のドラマにはないスタイルの物語になっていると思います。回を重ねるにあたり、どんどん“さくらさんワールド”に溶け込んでいただけたらと思いますし、さくらさんが発するメッセージ、僕らも含め、みんなそれぞれにメッセージ性があるので、言葉のひとつひとつを受け止めて何かの励みにしてもらい、明日への活力にしていただけたらと思っています。ぜひ、ご覧になってください!!」と、力強いメッセージを送ってくれました。