強い毒を持つヒアリ。9月、名古屋港の飛島ふ頭で大量に見つかりました。

 3年前に愛知県でも初めて見つかりましたが、今回は羽をもつ女王アリに加えて、巣も見つかりました。つまり棲息している状態で発見されたわけです。

 これを受けて、28日国や県による駆除作業が行われました。

 地面を覆うシートを剥がし入念に殺虫剤を散布する職員たち…。ヒアリの駆除作業は28日、環境省や愛知県、それに名古屋港管理組合の職員ら20人以上が参加して、行われました。

 名古屋港の飛島ふ頭では9月12日と15日に合わせて700匹ほどが、さらに23日には同じ敷地内で女王アリ数十匹を含む1000匹以上が見つかっています。

近くで働く女性:
「まん延するのが怖いですね。広がったりするのが。公園に行くと『小さいアリは触らないように』と孫には言います」

 今回、見つかった場所では卵やサナギの入った巣も県内で初めて確認されていて、環境省と愛知県は今後、飛島ふ頭全体を調査する予定です。

環境省中部地方環境事務所の坂口さん:
「限られた範囲で(ヒアリが)確認されている状況なので、しっかり他に広がらないようにたたいていく。11月末ぐらいまでがアリの陸上でエサを集める時期ですので、そこまでは集中的に(調査を)やっていく」

 今回ヒアリが見つかった名古屋港の飛島ふ頭は、倉庫がほとんどで住宅はありません。見つかったヒアリは本来、日本にいてはならない種ですが、今回は巣と同時に羽のある女王アリが数十匹も見つかったことで、繁殖する可能性があります。

 気になるのが、女王アリが移動できる距離です。

 環境省の担当者は通常だと数十mから数百m、遠くても2キロほどだと話していて、今は飛島ふ頭を重点的に調べ駆除を行っていくことにしています。

 強い毒を持つヒアリを万が一発見した場合は、刺激を与えず、素手で触らないでください。また発見の連絡は、環境省のヒアリ相談ダイヤル0570-046-110へお願いします。

※画像は環境省提供