車の運転のマナーが悪いとよく言われる「名古屋」。自転車のマナーについても不名誉な調査結果が出ました。全国の自治体で一番放置自転車が多かったのです。その数「6631台」。現状を取材しました。

 名古屋駅近くの柳橋交差点。

(リポート)
「午前9時前です。出勤でしょうか、スーツを着た人たちが次々と自転車を止めていきます」

 1台、また1台と自転車は増え続け、駐輪禁止を示すコーンの合間にも…。

(リポート)
「放置自転車と小学生の間を、今自転車が通っていきます。道幅が狭くなっているので危ないですね」

 11月は、愛知県が定めた放置自転車クリーンキャンペーン実施月間。

 実は国交省の調査で、名古屋市は放置自転車(駐輪場以外に止めてある自転車)の数が、2回連続で全国ワーストとなったのです。

(リポート)
「名古屋栄の新しくなった久屋大通公園のすぐ横の道です。歩道には自転車が2列にわたって並んでいて、まるで駐輪場のようになっています」

 整備された街並みに、ぎっしりと並んだ放置自転車。取材の最中にも自転車を止める人が…。

自転車を止めた人:
「車だと止めにくいですし、ここは。自転車だと近くにそのまま止められるので」

別の人:
「駐輪できない所があるので、駐輪場を設けてほしいです」

 全国の駅別に放置自転車の数を調べた結果、ここ「久屋大通駅」がワースト2位、上位4つのうち3つが名古屋市内の駅です。

名古屋市の担当者:
「久屋大通、矢場町、上前津といったところにつきましては、まだ駐車需要をある程度満たせるような駐輪場をご用意できていない」

 久屋大通の放置自転車は916台、これに対して駐輪場は684台分しかありません。

 一方、名古屋駅前では、2006年に放置自転車が歩道いっぱいに広がっていた場所は、現在はキレイさっぱり。その理由は”放置禁止区域”の設置です。

 名古屋駅周辺では駐輪場を増設し、それ以外の場所に止められた自転車を即日撤去しています。その結果、名古屋駅の放置自転車の数は、この10年でおよそ6分の1に。効果は出ているように見えましたが…。

(リポート)
「名古屋駅ささしま交差点付近です。こちらは放置禁止区域となっているため、自転車は1台も止まっていないのですが、1本中の道に入ると、たくさんの自転車が止められています」

 禁止区域から外れた脇道には自転車がズラリ。名古屋駅から700メートル離れた柳橋交差点周辺も、狭い歩道にぎっしりと自転車が…。

自転車を止めた人:
「会社の近くの駐輪場が全て埋まっとってですね、ここに止めています」

別の人:
「うーん…(駐輪場が)遠いので、どうしてもこう近くがいいなと思っちゃうんですね。だから来ちゃったんです」

 禁止区域を設置すると、別の場所に放置自転車が増える”いたちごっこ”の状態が続いています。

 名古屋駅周辺はこれまで、半径500メートルの範囲を自転車の放置禁止区域に指定していましたが、1日から柳橋まで拡大しました。

 また他の対策として、撤去された自転車を保管所に取りに来た際に支払う「返還手数料」を、1500円から3500円に値上げしたということです。