新型コロナの繁華街での感染を防ぐため、名古屋市が感染防止対策をした店を認定する制度を始めました。「安心して利用できる店」として、お墨付きを与える制度で、感染防止と経済の両立を模索する動きが続いています。

 名古屋市中区の錦三丁目、通称「錦三」。ここに店を構えて15年の会員制クラブでは…。

順子ママ:
「まずお客さまがとにかく半年ぐらい、3月からどんどん減って…」

 錦三でクラスターが発生したこともあり、客足は遠のいたまま。そんな店に11日訪れたのは、名古屋市の職員。

名古屋市の職員:
「本日認定しましたので、ステッカーの方をお持ちさせていただきました」

 手渡したのは、金のシャチホコのステッカー。新型コロナの感染拡大を防ぐ対策をした店に、名古屋市が「お墨付き」を与えるこの制度。認定を受けるためにはさまざまなハードルがありました。

 11月9日の開店前、市の職員が調査に訪れました。

市職員:
「入口の方で、ご来店された方の体温に異常がないかだとか、体調管理の確認をしていただいているという形ですね。従業員の方の健康管理も、やってみえる感じですかね?」

順子ママ:
「はい、毎日体温をつけて、あのように手書きですけど張り出しております」

 熱がある人の入店を断っているかや、消毒を徹底しているかに始まり、来店客の名簿があるかなど、細かくチェックします。さらに…。

市職員:
「こちら(PCR)検査のキットですね。こちらに唾液を採取して、お持ちいただければと思うんですけれども」

 全ての従業員へのPCR検査も求められます。認定を受けるためには、感染防止対策の徹底やPCR検査のほかにも、従業員や客などに感染者が出た場合に従業員名簿を提出するなど、市の取り組みに協力することが条件になります。

 店にとってはちょっと面倒な条件ですが、認定を受けることを決めたママは…。

順子ママ:
「錦にお客さんが戻ってくる一番いい方法は、コロナが終息していくことだと思うんですね。こういった取り組みの積み重ねが、コロナを終息に向かわせるんであれば、錦がまた昔の賑わいを取り戻せるのであれば、何でも協力しますということです」

 調査から2日後。順子ママの店が協力店第一号に認定されました。

 この制度の対象は、錦三丁目や栄四丁目など繁華街の接待を伴う飲食店のみですが、市は感染の拡大防止と経済活動の両立を図りたいとしています。

名古屋市の担当者:
「ある程度、感染する可能性はどこでもあるという中でですね、感染防止とお店の利用とを両立するような仕組みづくりを、これを一つの契機にして進めていきたいと考えております」

 二兎を追うための認定制度。狙い通りの効果を上げることはできるのでしょうか。