熱などの症状があり新型コロナ感染が心配な人は、まず「かかりつけ医」を受診するように政府は呼びかけていますが、感染者の急増で現場の負担が増しています。

「第3波」が押し寄せている愛知県のクリニックでは、異変が起きていました。

 愛知県瀬戸市の野田内科小児科医院。県指定の医療機関でもあるこのクリニックでは、今年9月から普段の診療に加え、15分ほどで結果が出る抗原検査を行っています。

 こうした地域の「かかりつけ医」は、新型コロナウイルスに感染した疑いがある人が医師と接点をもつ、いわば「最前線」。

 新型コロナの疑いがある人と、通院してくる人を分けて待機してもらうスペースがないため、コロナの疑いのある患者は、駐車場に車を停め、車の中で検体を採取します。
 
野田内科小児科医院の院長:
「増えたのはやっぱり先週からですね。(1日に)5人くらい検査しています。先週1週間で7人陽性が出ました」

 愛知県に新型コロナ「第3波」が押し寄せる中、検査の最前線で、11月25日ある異変が起きました。

同院長:
「その病院のスタッフが(クラスターなどに)手を取られて、人手が足りないということで、早く(検査がしたい)なら野田医院に行けと」

「検査に手が回らない」として、近隣の基幹病院から新型コロナの検査を依頼されたのです。普通はあり得ないようなことだそうです。

 このクリニックには、インフルエンザが心配なこの時期、多くの人が訪れるため、これ以上新型コロナの検査が増えれば、通常の診療に手が回らなくなる恐れがあると言います。

 さらに院長が心配しているのが「年末年始」です。

同院長:
「皆さんお休みになってしまうので、熱が出た患者さん。どこの休日診療所も大変になってくると思います」

 感染者が増加する一方、多くの病院が休みになるため、新型コロナの検査をするための人手が足りなくなってしまう恐れが…。

 この病院でもスタッフを休ませるため、年末年始は1週間ほど休診しますが、野田院長は瀬戸市の休日診療所で、新型コロナの検査を手伝うことに決めました。

同院長:
「(Q.年末年始のお休みは?)多分ないと思います。人手が足りないでしょうから『行きますよ』と申し出てあります」

 年末年始に受診できない人を無くすための対策が、早急に求められています。