1月20日放送の東海ラジオ『ドラゴンズステーション』に、プロ野球解説者でOBの井端弘和さんが出演し、ドラゴンズで「守備がうまい」と思った選手について、久慈照嘉さん、酒井忠晴さん、川相昌弘さんの3人の名前を挙げた。

 久慈さんは、井端さんが入団1年目のシーズンに阪神から移籍。その後、酒井さんもロッテから戻った。井端さんはこの2人の守備を「魅せる守備」と表現し、具体的には「華麗なグラブさばきのこと」と説明した。井端さん自身の守備については「決して魅せる守備ではなかった」と控えめだ。

 井端さんは「魅せる守備では、到底2人に追いつけないと思った。華麗なグラブさばきを自分がやろうとすると、軽いプレーに見られる恐れがあった」として、堅実さを追い求めようと手本としたのが、2004年に巨人から移籍してきた川相昌弘さんだったという。

 井端さんは、久慈さんや酒井さんの守備スタイルの練習をしながらもここぞというときに、「やろうと思えばできるというスタンス」でいたという。川相さんのスタイルを学ぶことで、井端さんは確固たる地位を築いていった。ヒントは川相さんの練習にあった。

 川相さんは、練習で(他の選手が)見ていて「おもしろくないだろうなあ」というノックをずっと受けていたという。捕球が容易と思われる打球を、より丁寧に処理していたそうだ。その姿勢を見ていた井端さんは「やさしいゴロほど丁寧に。難しいゴロほど力を抜いて」という極意を学んだ。

「余裕があるときにはしっかり捕って、きわどいときには、思い切って勝負にいく。全部上手から投げるのではなく、下手からのほうがいい場合もある。これでレパートリーが増えた」。川相さんの姿勢が井端さんのスキルアップに繋がっていた。

 3人の名内野手から多角的に学んだ井端さんは、打球によって捕り方を変えることで、余裕と自信をもって投げられるようにもなったという。それがゴールデングラブ賞6年連続受賞(2004年~2009年)に繋がっていったことは間違いないだろう。