三重県独自の緊急警戒宣言で、酒類を提供する飲食店などに営業時間の短縮要請が出ていた四日市市。時短要請は8日に解除されましたが、夜の繁華街には客足は戻っていません。

 9日夜の近鉄四日市駅前の商店街。三重県が四日市など3つの市に出していた、酒類を提供する飲食店などへの午後9時までの時短要請は、8日に解除されましたが…。

居酒屋の店員:
「(Q.お客さんはつかまる?)いや~、全然人いないですね。サラリーマンの人とかは、もうそんなに(飲みに)行かないんじゃないんですかね、会社とかでダメとか出てるんで」

 客が戻らないことを見越してか、自主的に休業を延長する張り紙も。

 小さな飲食店が軒を連ねる「のれん街」。こちらの居酒屋もこの日の客はたった1人、売上は1000円でした。

居酒屋の店主:
「(Q.ここは何人入れる?)6人だね。(Q.人数には気を使う?)うん、なんか万が一6人来た時に、罰金がくるとかっていう話を聞いたもんで」

 狭い店に客が多く集まると罰金を科されてしまう…そんなデマですら本当のことと思えてしまうほど、飲食店への風当たりは厳しくなっていました。

居酒屋の店主:
「(Q.この通りは前からこんなにやっていなかった?)いや、一番向こうは1月いっぱいで閉めたんだわ、右側ね。(Q.どうして閉めた?)お客が来ないからね。本当に来ないもん。ゼロの時もあるし」

 四日市市によると、新型コロナが蔓延して以降、商店街で少なくとも20軒ほどが休業や廃業に追い込まれたといいます。時短要請解除後も午後9時を過ぎるころには、シャッターを閉める店が多く見られました。

千家の店主:
「(Q.今お客さんとかは?)今はまだ、どなたもいらっしゃらない状態です」

 創業61年のダイニングカフェ。店の自慢は手作りのミートパイ、そして40年前の珍しいピアノです。音楽を愛した先代の母が買ったもので、結婚式の2次会でよく演奏されました。

 以前は深夜11時まで営業していましたが、時短要請が解除されても1時間早く閉店するようにしたといいます。

店主:
「宣言が出ている間は、遅い時間やっていてもお客さまが見込めないので、様子を見ながら時間は設定していきたいと思っています。(Q.今は最大の危機?)はい。今まで色々ありましたけれども、1年続くというのはやっぱり初めての経験ですので」