新型コロナワクチンの接種を少しでも早く完了させるため、愛知県内では様々な施設を有効活用する動きが広がっています。

 蒲郡市でも始まった集団接種。出迎えたのは着物姿の旅館の女将さんです。

(リポート)
「蒲郡市では今日から、土日・祝日の接種会場に温泉旅館も加わりました。入口ではスタッフが一般客と接種に来た人に、それぞれ案内をしています」

 30日からワクチン集団接種の会場に加わったのは創業66年の温泉旅館。新鮮な海の幸など地元食材を使った料理や天然温泉が自慢で、例年ならこれからの時期、多くの人が羽を伸ばしにやってきますが、新型コロナの影響で客が激減。

 今は使われることが無くなった多目的ホールを有効に使ってもらおうと、一肌脱ぎました。

 30日だけで、市内の65歳以上の高齢者360人が1回目の接種を受けました。

接種を受けた女性:
「広々とした宴会場でできるのは気分的にもいいですよね。病院という方法もあったんですけど病院は怖い感じがして」

別の女性:
「気分的にリラックスできます。(旅館を)選んでよかったです」

 県内有数の温泉地として有名な蒲郡市。今後は三谷温泉以外にも、形原温泉や西浦温泉などの旅館やホテルでも、集団接種会場として利用を進めていくとしています。

ホテル明山荘の支配人:
「僕らにとっては市のお手伝いもしていますし、どうしても地元の人って温泉旅館を利用される方が非常に少ないので、逆に明山荘を知ってもらう良い時間になったのかなと」

 また、豊田市で30日に集団接種の会場となったのは、Jリーグ・名古屋グランパスのホーム、豊田スタジアム。通気性がよく、広いスペースが確保できることなどから会場に選ばれ、75歳以上の市民900人が接種しました。

 一方…。

(リポート)
「ワクチン接種の研修が始まりました。研修を受けている方の背中のゼッケンには歯科医師会と書いてあります」

 実技研修に使われたのは、腕に見立てたパッド。接種会場が増える中、問題となっているのがワクチンの「打ち手不足」。

 そんな問題を解消するため、愛知県歯科医師会所属の歯科医師およそ500人が、医師からワクチン接種の指導を受けました。

参加した歯科医師:
「初めての経験でした。日頃注射には慣れておりますので、特に問題ないかと思っています」

 研修会は7月にかけて複数回開かれる予定で、研修を受けた歯科医師はワクチン接種者として認定され、早ければ6月中にワクチン接種の態勢が整うということです。