愛知県常滑市で29日、感染対策がとられずに大規模な音楽イベントが開かれた問題で、主催者側はホームページ上で開催に至った経緯を説明しましたが、これに対し、愛知県の大村知事は「事実と異なる」として怒りを露わにしました。

 常滑市にある愛知県の施設で29日に開かれた音楽イベント「NAMIMONOGATARI」。

 緊急事態宣言下にもかかわらず8000人を超える観客が訪れ、マスクを外して騒ぐなど「密」状態に。さらに会場で酒類も提供されていました。

 この問題をうけ、イベントを主催した制作会社「オフィスキーフ」は30日、公式サイトで謝罪文を発表。その中で開催に至った経緯を説明しましたが、県が公表した経緯と大きな食い違いが明らかになりました。

<主催者側の経緯説明>
「過度な飲酒でなければお酒の提供も可能という状態で、愛知県から話を頂き会場の設営に入りました」

 主催した「オフィスキーフ」は、県から酒類の提供自粛は伝えられていたものの、「過度の飲酒でなければ提供可能と伝えられていた」と主張。これに対し、31日に急きょ会見を開いた大村知事は…。

大村愛知県知事:
「容認したという事実はまったくありません。酒類提供は自粛・自粛・自粛ということで、ずっと強く言ってきております。都合よくつなぎ合わせて作ったということでありまして、極めて遺憾でございます」

「酒類の提供を認めていない」と真っ向から否定しました。

 また県は、8月12日に主催者と面談した際、コロナ対策で定められている上限の5000人を上回る8000人分のチケットが販売や配布されていたことから、すぐに販売をやめるよう要請。

 しかしチケットは、要請の8日後の8月20日まで販売され、主催者側は「県の指示に従った」と主張しています。

大村愛知県知事:
「こうした対応はきわめて不誠実であって、事実をねじ曲げるものでありまして、到底看過することはできません。改めて厳重に抗議をすると共に、早急に誠意ある対応を求めるものであります」

 大村知事は外部の有識者などでつくる第三者委員会を立ち上げ、事実関係の調査をするとともに、イベントを主催した「オフィスキーフ」に対し経緯を報告するよう求めています。

 この問題を巡って、名古屋市は参加者に対し、コロナ感染の有無を調べるPCR検査キットを無料で配布すると発表。対象はイベントに参加した名古屋市民のほか、市内に通勤や通学している人で、市は1日にも市のホームページに専用フォームを立ち上げ、希望者に配布するとしています。