愛知県長久手市の県立芸術大学で、10月に開催される年に1度の演奏会に向け、音楽科の学生たちが練習に励んでいます。

 リモートでの指導は難しい音楽の学部での授業。独自の「対策」を導入していました。

愛知県立大学看護学部の清水教授:
「一つの塊で口から常に呼気が出ているんですけど、それを『見える化』しています。空気は見えませんので、換気ができているかどうかが、なかなか分からない」

 白い煙をウイルスが含まれた空気に見立て、室内での空気の流れを「見える化」するこの実験。

 去年5月の調査で得た結果をもとに、教室内の空気が10分で入れ替わるように、合わせて831台ものサーキュレーターを導入し、「エアロゾル感染」対策に役立てています。

 去年6月からこうした対策を徹底し、学内でのクラスター発生はゼロ。今後も対策を続け、対面での授業を続けていくとしています。

 一方、名古屋市天白区の名城大学。

 14日から夏休み明けの授業が再開し、教室に学生たちの姿が戻ってきましたが、緊急事態宣言中であることを考慮し、受講生が多い授業では一部オンラインも導入。教室に設置されたカメラで授業を撮影し、学生に配信するといいます。

名城大学の学務センター長:
「(対面授業は)リアルタイムで教員に質問できるというところがメリット。学生間で議論ができると、これはなかなか遠隔ではできませんから」

 勉強だけではない、貴重な学びの時間…。通常通りのキャンパスライフを送る、そのカギの1つが「ワクチン接種」です。

 新型コロナワクチンの「職域接種」は大学でも進められ、東海3県でも、岐阜大学では1回目の接種率が70%、名古屋学芸大学は69%など。これは、愛知県内の10代と20代への1回目接種率よりも高い水準です。

 名城大学でも、希望する学生への2回目接種が進行中。接種はあくまで個人の自由のため、対面授業を受ける際の基準とはなりませんが、学生たちがキャンパスで自由に学ぶことができる日々が待たれます。

名城大学の学務センター長:
「4年間の大学生活のうち、2年近く通常ではない状態なので。なるべく早く戻して、普通にみんな一緒に友達と遊べる、そういう生活に戻ってほしいなと」