中部電力の新入社員の男性が自殺したのは、上司のパワハラなどが原因だとして遺族が労災認定を求めた裁判で、名古屋地裁は請求を棄却しました。

 訴えを起こしていたのは、中部電力の新入社員で2010年に自殺した鈴木陽介さん(当時26)の母・吉田典子さん(59)です。

 吉田さんは「自殺の原因は、過重労働と上司によるパワハラ」だとして、2013年に労災を申請しましたが、認められなかったため、この決定を取り消すよう国に求め、国側は請求の棄却を主張していました。

 11日の判決で名古屋地裁は、過重労働と上司の指導について「心理的強度は3段階の『中』にとどまる」として、自殺とパワハラなどとの因果関係を認めず、原告側の請求を棄却しました。

吉田さん:
「原告が立証しなくてはいけないという、大きな壁があるということはわかっていました。陽介自身が一番悲しくて辛かったというのが、私がなんとかして事実がなんであったのかを見つけてあげたいと思って戦っています。まだまだ戦いは続くことになります」

 原告側は控訴する方針です。