「名張毒ぶどう酒事件」で再審開始を目指す弁護団が、新たな証拠の開示を請求しました。

 村の集まりに出席した女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件では、自白後に一転して無実を訴え続けた奥西勝元死刑囚(享年89)が死亡して以降も、91歳の妹が10回目となる再審請求を続けています。

 弁護団は27日午後に名古屋高裁を訪れ、ぶどう酒の瓶に付けられた「封かん紙」の事件当日の状況を明らかにするため、新たに集まりに出席した住民の当時の供述調書を検察に開示させるよう求めました。

 弁護団はこれまでに「封かん紙」に付いたのりの成分の鑑定結果から、「真犯人が毒の混入後に貼り直した」と主張していました。

 また、この鑑定結果について裁判所から求められていた科学的見解も9月に回答していて、弁護団は「年度内には再審の開始決定をしてもらうことを切に願う」とコメントしています。