新型コロナの「後遺症」が問題となっています。10月に出された最新の調査では、発症から半年後も4人に1人が後遺症に悩まされ、女性のほうが出やすい傾向にあることがわかりました。

末盛内科クリニックの院長:
「まだ脈の力が弱いね、まだまだ疲れがたまった脈してる。今何か変化はありますか?」

コロナの後遺症に悩む20代女性:
「あまり寝られなくて…」

 名古屋市千種区の末盛内科クリニック。26日も新型コロナの後遺症に悩む女性が診察に訪れていました。

女性:
「仕事に戻ってから仕事がままならなくなって、そこで後遺症かなと気づいたという感じです」

 名古屋市に住む20代のこの女性は、9月初めに新型コロナに感染。症状は軽く熱は1日で下がりましたが今も嗅覚障害のほか、倦怠感と睡眠障害が続いているといいます。

 軽症であっても油断できない新型コロナの後遺症。国立国際医療研究センターが回復した患者457人を調べたところ、感染を経験した4人に1人が、半年が経過しても倦怠感や抜け毛などの後遺症に悩まされているという結果でした。

 男性よりも女性のほうが後遺症が出やすく、味覚障害はおよそ1.6倍、嗅覚障害はおよそ1.9倍だったという報告も出されました。

 この病院では、第5波真っ只中の8月から後遺症患者が急増し、特に若い世代の受診が多いといいます。

院長:
「(後遺症患者全体で)30代以下で見ると確か6割ぐらい、40代以下になると8割ぐらいなんですね。コロナ自体の症状が軽い人でも、後遺症が重くてなかなか社会復帰ができない方もいる。後遺症までひっくるめて一つの病気だという理解を広めていただきたい」

 しかし、まだ後遺症の明確な定義はありません。

 この女性は勤め先で営業職に就いていて、仕事に影響が出たため現在は休みをとっていますが、その間の給与が出るかはまだ決まっていません。

女性:
「給付金とかはネットでいっぱい見るんですけど、結局すぐ(お金が)おりなかったりすると、(保険会社など)生活が切羽詰まってから審査するので、もうちょっと簡単にできればなと思います」

院長:
「(後遺症に)はっきりとした定義があれば、病気として扱うことができると思うんですけど…」

 こうした状況を受けて現在厚生労働省では、症状の経過や改善した治療の例などを記した後遺症の「診療の手引き」の作成を進めていて、10月中にも公表する予定です。