岐阜市の栗園で、先端技術を活用した「スマート農業」の実演会が開かれました。

 空から農薬をまく大型のドローンに、地を這うラジコン型の草刈り機。11月9日、岐阜県恵那市の栗園で行われたのはロボットやICT技術を活用した「スマート農業」の実演会です。

えな笠置山栗園の社長:
「仕事がつらいというのを解消してくれれば、栗農家が増えるんじゃないか」

 栗農家にとって深刻な後継者不足。この地域の栗農家の平均年齢は72歳です。さらに15%しか後継者の確保ができていません。

 恵那市や中津川市では「栗きんとん」が大人気。岐阜県産の栗の需要はありますが、実は地元の栗だけでは2割から3割ほどしか賄えていません。

 そこで「スマート農業」を推進している岐阜県は、この農園で2年間の実証実験をすることに。

 大きな掃除機のような機械は、栗の収穫機。地面に落下した栗を吸引していくと、自動でイガと実の部分を分けてくれます。

 これまでは、年間10トンの栗を火ばさみで一つずつ拾っていましたがその手間がなくなります。

えな笠置山栗園の社長:
「火ばさみで1個1個拾ってバケツに入れたり、カゴに入れたりして本当に腰が痛いんですよ」

 高齢化が進む農家にスマート農業を。負担を軽減し収穫量のアップが期待されています。

岐阜県スマート農業推進係の担当者:
「スマート農業の分野は非常に開発が進んでいる分野で、いかに農業の現場で使っていけるかということを県の方でも検討・実証していきながら、県全体の農業に広げていきたいと思っています」