12月から始まるワクチン「3回目接種」について、東海3県でも準備が進められています。

 愛知で新型コロナの治療にあたってきた医師は、「かつての日常に近づくため」と接種の重要性を訴えています。

 藤田医科大学病院の岩田充永副院長は、中等症以上のコロナ患者の対応のほか、ワクチンの大規模接種会場の責任者として指揮をとっています。

岩田副院長:
「打つ体制としては十分これまでの蓄積がありますので、3回目接種は順調に進んでいくのではないかと思っています」

 12月1日から始まる3回目のワクチン接種。2回目の後、8カ月が経過した人を対象に、まずは医療従事者、その後に高齢者、職域での接種も順次開始される予定です。

岩田副院長:
「今週もしくは来週に、職員3000人分(のワクチンが)届くといわれています」

 藤田医科大学病院では、今も2回目の接種を行っているこの大規模接種会場で、3回目は1日1000人から2000人に接種ができる準備をするとしています。

 一時期は、入院患者の対応で医療崩壊寸前まで追い詰められた藤田医科大学病院。しかし、ワクチン普及率の向上などによる「第5波」の感染者減少と共に患者数は減り続け、17日時点での入院者は重症・中等症ともに1人もいない状態に。

 岩田副院長は、感染者が激減したこのタイミングだからこそ3回目接種が大切だと話します。

岩田副院長:
「海外の研究結果からも、2回目接種から半年くらい経つと感染予防効果が少し下がってくると。感染者が非常に少ない状態で3回目を始めれば、次の波のピークが非常に低く抑えられるだろうと。つまり、私たちはかつての日常にさらに近づくことができる」

 3回目の接種の有効性について、海外からの研究報告も揃い始めています。

 ファイザー社製のワクチンを3回接種した場合のデータでは、3回目の接種から1週間以上が経った人は、2回目の接種から5カ月以上たった人に比べ、死亡のリスクは81%低下、重症化のリスクは92%低下、入院のリスクは93%低下したということです。

 必ず来ると言われる新型コロナ「第6波」。岩田副院長は、私たちとコロナの付き合い方は次のステージに入ったといいます。

岩田副院長:
「いよいよ第6波からは、コロナも普通の病気に近づいてきているのではないかと。第5波の途中から抗体カクテル療法が出てきて、早期に使用すれば重症化を防ぐことができるということが始まって、恐らく来月には飲み薬が登場してくるので、この1年半、2年でかなり多くのコロナウイルスと戦う武器を手に入れたわけですから、(感染者増加の)波を低くするためにはワクチン接種が大切になってくるので、前向きに検討して頂きたい」