国のコロナ対策による18歳以下への「10万円給付」について、親の所得制限などで給付金を受け取れない子供を対象に、自治体が独自に支給する動きが広がっています。

 一宮市は1月5日、所得制限を理由に「10万円給付」の対象から外れていた世帯にも給付すると発表しました。

中野一宮市長:
「子育て世帯の中にできるだけ分断を招くことがないように。所得制限で外れる方にも1人あたり10万円を支給することを、年明けに発表させていただいたところであります」

 もともと今回の給付金では、バラマキ批判をかわすため、扶養家族が妻と子供2人の場合、夫の年収が960万円以上だと給付の対象にはなりませんでした。

 しかし一宮市では、所得制限でもらえなかった世帯にも給付を決断。その財源は…。

一宮市役所子育て支援課の担当者:
「昨年、国の方から通知が届きまして、Q&Aで『各地方公共団体の判断で地方創生臨時交付金を活用することは可能である』という回答を得ましたので、今回の独自事業を行うこととなりました」

 12月27日に国から届いた通知は、新型コロナ対策で国から交付される地方創生臨時交付金を「給付金に活用してもいい」という内容でした。

 当初、国は自治体が所得制限を撤廃し給付する場合は、それぞれの市町村独自の財源を当ててほしいとしていましたが、この方針を大きく転換しています。

 一宮市で新たに給付の対象となったのは、およそ2800世帯・5000人あまり。その費用は事務費も含めるとおよそ5億4000万円に上ります。これを国から一宮市に交付された「地方創生臨時交付金」で賄うとしています。

中野一宮市長:
「国の地方創生臨時交付金、こういった支援があって初めて、年明けになってできると、いけると判断しました。1人10万円もらえるというのと、全くもらえないという、そこの所得制限の線引きはやや急かなと」

 これには一宮市の母親たちも…。

給付対象から外れていた母親:
「当事者的には正直なことを言うと、主人も朝から晩まで働いていて、本当にお休みが日曜日しかなくて…。私たちも2人で頑張っているので、そこで差をつけられちゃうとちょっと正直さみしいかな。諦めていたので、ありがとうございます」

すでに給付された母親:
「子供に対して格差じゃないですけど、親の所得で子供の育児とか子育て支援に差をつけるわけじゃなくて、ひとりひとり平等に支援してもらえるっていうのはいいかなと思います」

 一宮市では、1月下旬にも受付を始めるとしています。