新型コロナの感染急拡大で、保健センターの負担が増えています。名古屋市では17日、陽性者の情報をWEB上で管理できる国のシステムを活用して業務負担を軽減する新しい施設、「ハーシスセンター」が開設されました。

 名古屋市の千種保健センター。陽性者や濃厚接触者の対応に日々、追われています。

職員:
「きょうの人すごい出歩いてて、元々成人式あって同窓会あって、いっぱいこの3連休で人と会ってて」

別の職員:
「症状発症いつ?」

職員:
「発症13日」

 体調や症状の確認から入院調整、濃厚接触者特定のために行動歴を聞き取るなど、感染者1人あたりの対応にかかる時間は「2時間」ほど。この日も、次々に入ってくる陽性者の情報をボードに書き込んでいました。

 1日の新規感染者数について「おおむね30名くらい出ている状況です。増え方も第6波は非常にスピードが早くて、3連休明けたぐらいからものすごい勢いで増えてきている」と話す保険予防課の課長。

 千種保健センターでは、電話対応する職員を別室に増やすなど体制を強化。それでも感染者の急増するスピードに追い付かず、今週からは区役所の別の部署からも職員が応援に入っているといいます。

千種保健センター保険予防課の課長:
「本当に全員でやっているような状態になっています。患者さんが発生して濃厚接触者を絞り込んだとしても、またその濃厚接触者の方が患者になるというような状況で、いたちごっこのような感じになっています」

 こうした業務負担を軽減する、新しい施設「ハーシスセンター」が17日、名古屋市に開設されました。陽性者の情報をWEB上で管理できる「HER−SYS」という国のシステムを活用します。

 これまでは、医療機関から送られてくる患者の発生届をもとに、各区役所ごとに感染者の情報を入力していましたが、今後はこの「ハーシスセンター」が名古屋市全体の入力を代行。

 また、軽症・無症状の場合は患者自身がスマートフォンから体温や体調を入力できるため、電話での聞き取り業務も減らすことができます。

名古屋市新型コロナ感染症対策室の室長:
「保健センターの事務的な負担を集約して、こうしたハーシスセンターで一元的に行って参ります。第6派に向けて職員一丸となって対応しているところでございます」

 ハーシスセンターの開設で、保健センターの業務のおよそ20%が軽減されるということで、名古屋市はさらなる感染拡大に備えたいとしています。