ウクライナを侵攻したロシア軍は、制空権を奪い首都キエフに迫っています。東海3県のウクライナゆかりの人達から、現地の人の無事を願う声が挙がっています。

 爆発音と共に立ち上る黒煙。ロシア軍から発射されたミサイルは、レーダー施設や空港などの軍事施設だけでなくアパートなどにも命中し、民間人を含む137人が死亡しました。

 さらに、36年前に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所もロシア軍に占拠されました。職員が人質にとられているという情報もあります。

 名古屋市中区にあるNPO法人「チェルノブイリ救援・中部」。

チェルノブイリ救援・中部の河田さん:
「ここの川に4〜5日前に橋をかけてあって、ここから入って占拠した」

 理事の河田昌東さんは、支援を続けているウクライナの現状に心を痛めています。

河田さん:
「緊張が始まっているのはメールで聞いていたので、心配はしていたんです。3日前にはこういうことが起こるとは思っていなくて、非常にびっくりした」

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故。河田さん達は事故後の1990年から、現地に行っては医療機器を送ったり放射能汚染されていない粉ミルクを届けたりする活動などを続けてきました。

 日々、現地で支援活動をしているウクライナ人と連絡を取っている河田さん。

 24日になり、心配なメールが…。

河田さん:
「きのうの朝、個人的に心配になってメールを入れたんです。すぐに返事が返ってきて『私は今のところ大丈夫です。だけど、けさ5時に(車で)家から30分のところに空軍基地があり、そこが爆撃された。みんなパニックになっている』という返事が返ってきました」

 同時多発的に起きた爆撃に加え、チェルノブイリ原発も占拠…。原発周辺に住む村人達の情報はまだ入ってきていません。

河田さん:
「チェルノブイリ原発に近いナロジチという村があるんですけど、1万人がまだそこに住んでいるわけです。そこをずっと支援してきたわけです。そこがどうなっているか、まだ直接聞いていないんですけどものすごく心配しています。原発の事故で働いて、事故処理作業者が30万人以上いるんですけど、そういう人たちは高齢化しているわけです。まだ生き残っている方も、がんとか心臓病とかいろんな病気が多発して困っているんですけど、そういう人たちがまた同じ戦争で苦労されていると思うと本当に心が痛い」

 プーチン大統領は「ウクライナが、ソ連崩壊後に放棄した核兵器を再び保有することを狙っている」と演説で述べていて、ロシア軍が原発を制圧したのは「敷地内に貯蔵されている放射性物質をウクライナがまき散らすのを防ぐため」と、一部メディアは報じています。