
ロシアによるウクライナの侵攻を受け、東海3県の音楽界にも影響が広がっています。愛知県小牧市の交響楽団が曲目を変更することになりました。
ロシアの作曲家・チャイコフスキーの大序曲「1812年」。
加藤理事長:
「チャイコフスキー大序曲『1812年』とありますが、これをシベリウスのフィンランディアに変更いたしました」
そう話すのは、中部フィルハーモニー交響楽団の加藤隆久理事長。この曲を3月末に小牧市で開かれるコンサートの最後に演奏するはずでした。
しかし、この曲はフランス・ナポレオン軍の侵攻を撃退したロシア軍を讃える交響曲。大砲が楽器として使われていることで有名ですが、大砲で演奏できないかわりに現在は太鼓で演奏しています。
加藤理事長:
「曲のテーマが『1812年』というのはロシアの戦勝曲だということで、今この時代に演奏するのはふさわしくないんじゃないかと。今の情勢を受けまして、(演奏中止は)音楽に携わる者として何ができるかと考えた答えの一つになります」
代わりに演奏するは、フィンランドの作曲家・シベリウスの交響詩「フィンランディア」。帝政ロシアの圧政に苦しめられたフィンランドで、美しい祖国を讃え、独立と自由を求める国民の願いを表現しました。
加藤理事長:
「(今回中止した)『1812年』という曲も、今だからこそ抵抗があるということでございまして、曲そのものに罪があるわけではございませんので、将来なんのわだかまりもなく演奏できる日が来ることを願っております」